アグロステンマ(ムギセンノウ)の育て方

アグロステンマ(ムギセンノウ)の花

1.アグロステンマの基本情報

アグロステンマについて見ていきましょう!

アグロステンマの基本情報
■科 目:ナデシコ科
■分 類:耐寒性秋まき1年草
■学 名:Agrostemma githago
■別 名:ムギセンノウ、ムギナデシコ
■花言葉:品位
■開花期:初夏(5~7月)

アグロステンマの花苗や種が買えるお店

アグロステンマを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!

アグロステンマ ‘パープルクイーン’は、濃いピンクで中央が白のムギナデシコです。
7~10cmの大輪で1mほどに大きく茂り、たくさん咲いて、見ごたえがあります。

2.アグロステンマの特徴

特徴

アグロステンマとは、別名ムギセンノウと呼ばれるナデシコ科ムギセンノウ属の一年草です。地中海沿岸から西アジアを原産地として3種が分布している植物で、特にアグロステンマ・ギタゴが観賞用に栽培されています。

アグロステンマの花色には白やピンク・紫があり、庭植えにすると1m近くになるほど背丈が高くなり、茎は繊細なつくりをしています。外側にカールした5枚の花弁を持ち、中心部から白くなっており、外側へと伸びる美しいグラデーションが特徴です。

育て方のポイント

アグロステンマの耐暑性は弱いものの、耐寒性は比較的強く、ヨーロッパでは麦畑の雑草として知られるほど丈夫な植物なので、初心者でも育てやすいと言えます。水はけが良く、日当たりが良い場所を選ぶことが育て方のポイントです。

3.アグロステンマの育て方

育て方

庭植え

庭植えの場合は、10~12月、3~4月頃に水はけのよい日なたに植えつけ、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておくと良く育ちます。
水はけが悪い場所には、用土に腐葉土を混ぜ込んでおくなど、水はけの良い環境を整えてあげることが大切です。
庭植えの場合、特に肥料は必要ありません。肥料をあげすぎると徒長の原因になるので、注意しましょう。

種まきの適期は9~10月で、花壇や鉢に直まきすると発芽率が高くなります。20~30㎝の間隔に4~5粒ずつ蒔き、隠れる程度の土をかぶせるのがポイントです。

鉢植え

アグロステンマは、日当たりが良く水はけの良い場所が適しており、弱アルカリ性の土を好みます。赤玉土中粒5・腐葉土3・酸度調整済みピートモス2の配合土に、用土1ℓ当たりに約2gの苦土石灰を混ぜた用土を使い、植え付け時にリン酸分の多いゆっくりと効く緩効性の化成肥料を施してあげましょう。

植え付け時以外に肥料を施す時期は、10月~4月が最適です。市販の草花用の培養土を使うことも可能で、この場合は肥料を加える必要はありません。

鉢植えの場合、タネをまいたら発芽までは日陰で、発芽後は日なたで管理するようにします。寒冷地なら冬越しさせるためにフレームに入れて管理し、平地なら冬の期間中は戸外で管理すると良いでしょう。

4.アグロステンマの手入れ

水やり

季節の管理

アグロステンマは4月~5月頃、気温が上昇しはじめると急に成長して草丈が高くなるので、倒れないように支柱を立てておく必要があります。
12月~2月頃には、霜柱で土の上に持ち上がり根が乾いて枯れることがあるので、秋に種を蒔き、大きくなりきれていない苗や植えつけが遅れた苗は株元を押さえてあげましょう。
アグロステンマは一年草なので、基本的に植え替えの必要はありません。

水やり

アグロステンマを鉢植えで育てる場合、栽培期間は鉢土の表面が乾いたらたっぷり水やりを行います。
過湿によって根腐れを起こしやすくなり、やや乾燥気味の環境を好むので鉢底石を敷くなどして、過湿を避けるように注意しましょう。
庭植えでは降雨のみで十分です。

追肥

鉢植えの場合は、春先に少量の緩効性化成肥料を置き肥しておけば、アグロステンマに追肥を施す必要はありません。庭植えの場合も追肥も行う必要はありません。
多肥な環境では草姿が乱れるので、肥料の与えすぎには気を付ける必要があります。

花がら摘み

体力の消耗を防いで、長く花を咲かせるために、花が咲き終わったら花がら摘みを行います。アグロステンマはこの作業を行うことで、病気の予防にも繋がります。

増やし方

アグロステンマの増やし方にはタネまきがあります。
花後に種が出来きるので、茶色く変色して乾いた種を取り冷暗所で保管します。
9~10月、寒冷地なら3~4月頃にこの種を使って、花壇や鉢に直まきします。温度は20℃前後に保ち、覆土は種が隠れる程度で十分です。こぼれ種を使っても良いでしょう。

5.アグロステンマに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

アグロステンマの注意すべき病気には、花弁やつぼみ・茎や葉などにかびが生える「灰色かび病」が挙げられます。
5~6月頃のやや温度が低い多湿時に発生することが多く、花やつぼみ・茎葉部分に水がしみたような淡褐色の病斑ができ、病気が進行すると灰色のカビで覆われて病斑の部分から腐敗し、枯れる原因となります。

葉や花・茎が込み合い、風通しが悪く、湿度が高い状態を避けることが予防方法です。特に開花期は雨を避け、水やりは最小限にとどめ、株元に与えるように心がけると良いでしょう。
枯れた花や葉は、定期的に取り除き、風通しを良くしてあげると発生が少なくなります。

主な害虫

アグロステンマの主な害虫には、アブラムシやアオムシが挙げられます。
アブラムシは、9月~11月と3月~6月頃に、新芽やつぼみに群生して植物に寄生します。見つけ次第駆除する必要があります。窒素分の多い肥料を与えすぎた場合や風通しが悪く、株間が狭くて密植状態の場合に、アブラムシが湧きやすいと言われています。
枯れた花や葉は摘み、風通しを良くして植物にまんべんなく日差しがあたるようにするのが予防のポイントです。

また、アグロステンマには稀にアオムシが付くことがあるので、できるだけ小さい段階で発見できるように注意深く観察し、見つけ次第駆除します。こまめに観察して、病気や害虫に気を付けましょう。

アグロステンマの育て方を読んだあなたにおすすめの花苗セット:

アグロステンマ(ムギセンノウ)の花