1.アゲラタムの基本情報
アゲラタムについて見ていきましょう!
■分 類:非耐寒性春まき一年草
■原 産:熱帯アメリカ、メキシコ、ペルー
■学 名:Ageratum
■別 名:カッコウアザミ
■花言葉:信頼、安楽
■開花期:5~10月(初夏~秋の花)
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2.アゲラタムの特徴
アゲラタムは夏~秋にかけて開花期間がとても長く、ギリシャ語で「不老」の意味を持っています。
英名は「フロス(糸)フラワー」といい、糸を束ねたようなやわらかい雰囲気の小花が次々と咲きます。
中南米原産で、もともとは多年草ですが、日本では冬越しが難しいので一年草として扱うのが一般的です。
- 風通しがよく、日当たりのよい場所で育てる。
- 横に広がって育つので密植しないこと。
- 好光性種子なので、覆土しないか、2~3mmくらいに薄く覆土する。
- 肥料は与えすぎないこと。
- 高温多湿に弱いので、夏は花を切り戻して、半日陰で育てる。
3.アゲラタムの育て方

種からの育て方
発芽温度:15~20℃
発芽日数:5~7日
- 種まき用土を、育苗箱の縁から2cmほどの深さまで入れます。
- 用土に種をまきます。小さい種なので、二つ折りにした封筒の上にのせてからまくと、均一になります。
- 好光性種子なので、覆土しないか、2~3mmくらいに薄く覆土して、指で上から軽く押さえて種と土を密着させます。
タネをまいた容器(まき床)は雨の当たらない、風通しのよい明るい日陰で管理します。発芽までは土を乾かさないようにします。
- 透明なビニールなどをかぶせて湿気を保つようにします。
- トレーや受け皿に水をため、鉢底穴から底面給水させます。
- 上から霧吹きでたっぷりと水をやります。
発芽したら、すぐに覆いを外して徐々に日当たりのよい場所に移します。土の表面が乾いたら静かに水を与えます。
子葉が開いたら、密になっている部分の苗を引き抜いて、株間をあけるようにします。ピンセットで株元をそっと掴んで引き抜いてやります。
最初の間引きは、子葉が開いた直後に行います。一度だけで終わりではなく、隣の葉同士が触れ合ってきたら間引くようにして、最終的に必要な数だけの苗を残しましょう。
■間引く苗
・育成不良だったり、逆に大きく育ちすぎているもの
・葉や茎が変形していたり、色が薄くなっているもの
■残す苗
・茎が太く、がっしりしているもの
・葉の色が綺麗でツヤがあるもの
- 本葉が3~4枚になったら、苗を丁寧に掘り上げ、培養土の入ったポットや小さい鉢などに移します。
- 鉢に鉢底網と培養土をいれ、植え穴をあけます。
- 植え穴に苗を植え付けて、株元を軽く押さえて安定させます。
- 水やりは、鉢底から水がしみ出すまで与えます。
- 2~3日は直射日光や風の当たらない半日陰で、乾燥に注意しながら管理します。
- しおれていた苗がしっかりと立ち上がったら根付いた証拠です。これを合図に、日当たりと風通しのよい場所に移します。
移植して1週間ほど経ったら、1000~2000倍に薄めた液肥を週1回ほど与えます。
苗からの育て方
春頃から鉢花やポット苗が出回ります。
■良い苗
・株元や茎がしっかりしているもの。
・葉の色がよく、わき芽や葉数が多いもの。
■悪い苗
・葉色が黄ばんで、しおれているもの。
・茎が弱々しく伸びて、全体にバランスが悪いもの。
鉢: 5号鉢に1株が目安
用土: 赤玉土(小)6、腐葉土3、パーライト1
肥料: 元肥として緩効性化成肥料
- 苗を植え付ける鉢を用意します。鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きいものを選びます。
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
- 鉢の深さの「6分の1」くらいまで、鉢底石を入れます。
- 鉢の深さの「3分の1」くらいまで、用土を入れます。
- しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめ取り除いておきます。
- 苗を鉢の中心に置いてみて、苗の根元が鉢縁よりも少し低くなるようにします。
- 隙間に土を足し入れ、棒などでつついて隙間を無くし、土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
株間: 15~25cm(横に広がって育つので密植しないこと)
肥料: 元肥として緩効性化成肥料
- 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。元肥として緩効性化成肥料を加えます。
- しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめカットしておきます。そのままつけておくと病害虫の原因になります。
- 植え穴をあけて根鉢を置きます。花壇の土の表面よりも「同程度~やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
- 株元にたっぷりと水を与えます。
4.アゲラタムの手入れ

▼水やりのタイミングは?
「土の表面が乾いたら、たっぷりと」を目安にします。
▼水やりの方法と注意点は?
花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。
ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。
元肥として、リン酸やカリ分の多い緩効性化成肥料を施します。
開花期が長いので、開花中も1ヶ月に1回液肥を施します。
チッソ分が多いと、葉ばかり茂って花がつきにくいので、肥料は控えめに施します。
開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。
しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。
次々と咲く小花は、咲き終わると茶色に変色するので、こまめに摘み取ります。ひとかたまりの花が終わったら、わき芽の上で切り取ります。
また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。
アゲラタムは夏の暑さにやや弱いので、盛夏には花が咲かなくなります。
高温多湿を避けるため、真夏は半日陰で管理します。
真夏の花が咲き終わったら、10~15cmほど残して切り戻すと、秋に再び花が咲きます。
アゲラタムは、挿し芽で増やすことができます。
- わき芽のついた茎を7~10cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
- 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
- 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
- 切り口を、水の入った容器に1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
- 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
- 湿らせた挿し芽用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
- 静かにたっぷり水を与えます。
- 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
- 少しずつ日に当てる時間を増やし、2~3週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
- 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。
5.アゲラタムに発生する病気と害虫

主な病気
▼症状
花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。
▼発生時期
真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)
▼予防と対策
- 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
- 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
- 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
- いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
主な害虫
▼症状
緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。
▼発生時期
4~6月、9~10月がピーク
▼予防と対策
- 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
- 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
- アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
- 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
▼症状
肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。
▼発生時期
3~10月(夏の高温乾燥時に多発)
▼予防と対策
- 早期発見、早期防除が大切です。
- 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
- 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
- 専用の殺ダニ剤で対処します。
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