1.ルピナスの基本情報
ルピナスについて見ていきましょう!
■分 類:秋まき一年、二年草/耐寒性多年草
■原 産:地中海沿岸、北・南アメリカ、南アフリカ
■学 名:Lupinus
■別 名:ノボリフジ(昇り藤)、タチフジ(立ち藤)
■花言葉:想像力、いつも幸せ、貪欲
■開花期:4~6月(春~初夏)
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2.ルピナスの特徴
ルピナスは、長い花穂がまっすぐに下から伸びていき、藤の花を逆さにしたような見た目をしていることから、「ノボリフジ(昇り藤)」とも呼ばれます。
夏越しする多年草タイプもありますが、基本的には暑さに弱いため、日本では主に「一年草」として扱われます。
ルピナスという名前は、ラテン語で「オオカミ」の意味を持つ「lupus(ループス)」が語源となっており、生存競争が厳しい環境でも貪欲に生きていくさまを例えたと言われます。
- 種は水に一晩つけてから植える。
- 直根性で移植を嫌うため、直まき栽培に向いている。
- ポットまきで苗を育ててから定植することもできる。
- 日当たりと風通しがよく、水はけのよい場所で育てる。
- 花後に切り戻すと、わき芽が伸びて次の花を咲かせる。
3.ルピナスの育て方

種からの育て方
適期:一年草は9~10月/宿根草は6~8月
発芽適温:15~20℃
「4時間~ひと晩」を目安に、水につけた後に種が膨らんでから、乾燥しないうちにまきます。
ルピナスは直根性で移植を嫌うため、花壇やコンテナでの直まき栽培に向いていますが、管理しやすいポリポットに種をまいて育苗してから植え付けることもできます。
花壇や鉢、ポットなどに種をまいてから、そのまま同じ場所で育てる方法です。植え替える手間がかかりません。
株間: 30~40cmくらいを目安
種のまき方: 深さ2cmほどの穴に、3~4粒を点まきして覆土する
- 種をまく2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、元肥として緩効性化成肥料を加えます。
- 肥料の混じった土が表面に来ないように、種まき用の用土を上からかぶせて、ならしておきます。
- 土にたっぷり水を与え、種をまきます。
- 覆土して、表面にそっと水を与えます。
- 発芽までは、土の表面が白く乾いたら、そっと水を与えます。
- 子葉が開いたら、数回に分けて間引いていきます。
種のまき方: 深さ2cmほどの穴に、3~4粒を点まきして覆土する
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを鉢底穴の上に置きます。
- 鉢の深さの「6分の1」くらいまで鉢底石を入れます。
- 鉢の深さの「3分の2」くらいまで用土を入れます。
- 元肥として緩効性化成肥料を入れて、よく混ぜ合わせます。
- 表面2cmほどは肥料の混じっていない土を入れ、たっぷり水を与えます。
- 種をまき、霧吹きで表面の土を湿らせます。
- 発芽適温が保てる雨の当たらない場所に移動して、土の表面が乾かないように管理します。
- 子葉が開いたら、数回に分けて間引いていきます。
ポリポットに種をまいて、育苗して根がまわったら根鉢ごと植え付ける方法です。花壇では環境が変化しやすく管理しづらいので、まずはポリポットで苗を育ててから、定植したい場所へ植え付けます。
種のまき方: 深さ2cmほどの穴に、3~4粒を点まきして覆土する
定植の時期: 本葉が4~5枚になったら
- 育苗用土をポットに入れます。ポットの縁より0.5~1cmほど低くなるように、土の高さを調整します。
- 水を与えて、用土を湿らせます。
- 用土に種をまきます。
- そっと水を与えます。ポリポットの底から水が出るくらいが目安です。
- 発芽適温が保てる雨の当たらない場所に移動して、土の表面が乾かないように管理します。
- 数回に分けて間引いていき、最終的には1つのポリポットで1株を育てるようにします。
- 定植したい場所へ植え付けます。直根性で移植を嫌うので、根鉢をくずさないように丁寧に行います。
苗からの育て方(初心者におすすめ)
暖かくなってきた春頃から出回る苗を購入したほうが管理しやすいでしょう。
■良い苗
・株全体が引き締まっていてボリュームのあるもの。
・葉数が多く、葉色がよいもの。
■悪い苗
・茎が弱々しく伸びて全体的にバランスが悪いもの。
・葉が黄色く枯れているもの。
ルピナスは直根性で移植を嫌うので、根鉢をくずさないように丁寧に行いましょう。
用土例: 赤玉土(小)6、腐葉土3、パーライト1
肥料: 元肥として緩効性化成肥料
- 苗を植え付ける鉢を用意します。鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きいものを選びます。
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを穴の上に置きます。
- 鉢の深さの「6分の1」くらいまで、鉢底石を入れます。
- 鉢の深さの「3分の1」くらいまで、用土を入れます。
- しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめカットしておきます。
- 苗を鉢の中心に置いてみて、苗の根元が鉢縁よりも少し低くなるようにします。
- 隙間に土を足し入れ、棒などでつついて隙間を無くし、土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
株間: 30~40cmくらいを目安
- 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
- しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめカットしておきます。そのままつけておくと病害虫の原因になります。
- 植え穴をあけて根鉢を置いて、高さを調整します。花壇の土の表面の高さと「同程度~やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
- 株元にたっぷりと水を与えます。
4.ルピナスの手入れ

▼水やりのタイミングは?
「土の表面が白っぽく乾いたら、たっぷりと」を目安にします。
▼水やりの方法と注意点は?
花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。
ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。
開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。
しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。
また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。
- 花が咲き終わったら早い段階で、花茎の付け根あたりを切り取ります。
- 追肥として緩効性化成肥料を施し、たっぷりと水を与えます
- 株の勢いが回復するまでは、直射日光の当たらない場所で管理します。
- わき芽が伸びて次の花を咲かせます。
- 枝豆にそっくりなサヤができるので、茶色く乾燥するまで待ちます。
- 乾燥したらサヤを取って、サヤの中に入っている種を取り出します。
- 採取した種は、日陰でよく乾燥させた後、風通しのよい冷暗所で保存します。
5.ルピナスに発生する病気と害虫

主な病気
▼症状
茎の地際部がくびれたようになり、倒れて枯死します。発芽直後、または幼苗の時期に発生しやすいです。
▼発生時期
4~10月
▼予防と対策
- 土壌伝染性の病気なので、新しい土か、消毒した清潔な土を使うようにしましょう。
- 侵された株は根から引き抜き、土を消毒します。
▼症状
新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。
菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。
▼発生時期
高温多湿の5~7月、9~11月
▼予防と対策
- 普段から通気性をよくしておきましょう。
- チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
- 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。
主な害虫
▼症状
緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。
▼発生時期
4~6月、9~10月がピーク
▼予防と対策
- 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
- 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
- アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
- 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
▼症状
肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。
▼発生時期
3~10月(夏の高温乾燥時に多発)
▼予防と対策
- 早期発見、早期防除が大切です。
- 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
- 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
- 専用の殺ダニ剤で対処します。
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