ペンタスの育て方

1.ペンタスの基本情報

ペンタスについて見ていきましょう!

ペンタスの基本情報
■科 目:アカネ科
■分 類:非耐寒性多年草または常緑小低木
■原 産:熱帯アフリカ~アラビア半島
■学 名:Pentas lanceolata
■別 名:クササンタンカ
■花言葉:願い事
■開花期:5月~10月

ペンタスの鉢植えや苗が買えるお店

ペンタスを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
花屋やネットで購入できます。

2.ペンタスの特徴

ペンタスは、熱帯アフリカ~アラビア半島に分布しているアカネ科の多年草または常緑小低木です。

20個以上の小さな星型の花が半球状に集まって、初夏~秋にかけて次々と咲きます。

ペンタスという名前は、ギリシア語で数字の「5」を意味するPente(ペンテ)が語源で、5裂した星形の花に由来しています。

育て方のポイント
  • 日当たりと水はけがよい場所を好む。
  • 蒸れに弱いので、風通しのよい場所で育てる。
  • 夏は、西日を避けて半日陰で育てると安心。
  • 冬は、室内の日当たりのよい窓辺で管理する。
  • 開花期間が長いので、肥料切れに注意する。

3.ペンタスの育て方

育て方

苗からの育て方

苗を購入する

ペンタスは熱帯性植物なので、5月以降に入手すると管理が楽です。

▼良いもの
・株が締まっていてぐらつかない
・葉色がよく、黄変していない
・間延びしていない
・つぼみが多くついている

苗の植えつけ
適期:5~6月
鉢植えの場合
場所 日当たりと風通しのよい場所に置く(夏の西日は避ける)
用土 赤玉土小粒6、腐葉土3、粒状パーライト1の配合土など
元肥 緩効性化成肥料
  1. 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  3. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  5. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  6. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所 日当たりと風通しのよい場所(夏の西日は避ける)
土壌 水はけのよい土を好む
元肥 緩効性化成肥料
株間 25~30㎝
  1. 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 深植えしないように注意して、軽く根元を押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.ペンタスの手入れ

水やり
夏越し

蒸れに弱いので、風通しのよい場所で育てます。

夏の暑さが厳しい場所では、西日を避けて半日陰で管理した方が安心です。

冬越し

ペンタスは熱帯性植物で、最低越冬温度が5~6℃なので、暖地以外では室内の日当たりのよい窓辺で管理します。

庭植えした株を掘り上げる場合は、10月中には済ませましょう。

水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。過湿に弱いので、水の与えすぎには注意します。

冬は生長しないので、やや乾かし気味に管理します。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

追肥

開花期間が長いので肥料切れに注意します。ただし、猛暑が続く時期は多肥を避けます。

生育期の5~10月に、2ヶ月に1回ほど緩効性化成肥料を置き肥して、月に3回ほど薄い液肥を与えます。

花がら摘み

開花中に咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。

剪定、切り戻し
  • 枝が込んできたら、そのつど剪定して株姿を整えます。
  • 花が終わった10月頃、株全体の1/2~1/3くらいまで切り戻してから、冬越します。
  • 冬越しした5月頃にも、株全体の1/2~1/3くらいまで切り戻してから、植えかえます。
植えかえ
適期:5月

ペンタスは生育旺盛なので、冬越しした鉢植えは毎年植えかえましょう。

枝を切り戻して、古土を半分くらい落として、ひと回り大きな鉢に新しい土で植えかえます。

挿し木(挿し芽)
適期:5~6月/9~10月
  1. 若い枝の先端を5~7cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。上半分にある葉で大きいものは半分に切り詰めます。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に30分~1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた挿し木用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、発根したら丁寧に掘り出して、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。

5.ペンタスに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

灰色かび病(ボトリチス病)

▼症状

花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。

▼発生時期

真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)

▼予防と対策

  • 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
  • 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
  • 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
  • いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
苗立枯病

▼症状

茎の地際部がくびれたようになり、倒れて枯死します。発芽直後、または幼苗の時期に発生しやすいです。

▼発生時期

4~10月

▼予防と対策

  • 土壌伝染性の病気なので、新しい土か、消毒した清潔な土を使うようにしましょう。
  • 侵された株は根から引き抜き、土を消毒します。

主な害虫

カイガラムシ

▼症状

貝殻に似た厚い殻をかぶった黒い虫が、葉茎に寄生して栄養を吸い取ります。

植物の生育が妨げられ、ひどいと枯死します。また、すす病を誘発します。

▼発生時期

一年中

▼予防と対策

  • 常に風通しをよくしておきます。
  • 成虫は厚い殻をかぶっており抵抗力が強いので、前もって薬剤で予防しておきます。
  • 幼虫の段階で見つけたら薬剤を散布します。
  • 成虫を見つけたらブラシなどで落として捕殺します。

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