スイセンの育て方

スイセン

1.スイセンの基本情報

スイセンについて見ていきましょう!

スイセンの基本情報
■科 目:ヒガンバナ科
■分 類:秋植え球根
■学 名:Narcissus
■別 名:セッチュウカ(雪中花)
■花言葉:愛にこたえて
■開花期:早春(12月~4月)

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2.スイセンの特徴

特徴

スイセンはヒガンバナ科の植物で、別名「雪中花」と呼ばれて親しまれてきました。
ヨーロッパで盛んに品種改良が行われてきて、品種の数は1万種を超えるといわれています。
ラッパズイセン、八重咲スイセン、口紅スイセン、房咲きスイセン、カップ咲きスイセンなどの種類があり、花の形と咲き方によって12系統に分類されています。
花色は、白、黄、ピンク、オレンジなどがあります。
開花期間は12月~4月で、一足早く春の訪れを感じさせてくれる花です。
寒さや病害虫にも比較的強く、園芸初心者の方でも安心して育てることができる人気の高い植物です。

育て方のポイント

日当たりと風通しがよく、水はけのよい場所で育てます。冬の寒さに十分に当てて、花芽をつくらせるようにします。

3.スイセンの育て方

育て方

球根の選び方

スイセンは、9月~11月に球根を植え付けて育てます。
きれいな花をたくさん咲かせるためには、球根選びが大切です。
球根を購入する場合は、大きくてずっしりとした重さがあり、左右均等に丸みがあるものを選びます。
表面にキズがあったり、分球しているものは避けます。

庭植え場合

花壇や庭で育てる場合は、日当たりと風通しがよく、水はけのよい場所を選びます。
植え付け1週間前になったら、植え付け場所の雑草や小石などを取り除き、スコップで深さ30㎝程度に土を掘り起こしてほぐしていきます。
さらに、通気性、排水性、保水性、保肥性を高めるために、堆肥や腐葉土を入れて良く耕します。
ちなみに、堆肥は、牛ふん、落ち葉、草などを積み重ねて発酵させたもので、微生物が豊富です。腐葉土は、落ち葉を堆積して発酵させたもので、堆肥よりも微生物や肥料分がやや少ないですが、どちらでもかまいません。

堆肥や腐葉土だけでは、植物の生育に必要な肥料分が足りないので、元肥を施します。
植え付け時に与える肥料を「元肥」、生育中に与える肥料を「追肥」といいます。
元肥は、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を適量入れます。「マグァンプK」などは、植物の根が肥料焼けしないので、取り扱いやすい肥料です。
肥料を撒いたら、堆肥または腐葉土と一緒に深く耕して土にすき込みます。
土の表面は軽く平らにならしておき、土となじませるため1週間ほど放置し、その後、球根を植え付けます。

球根は、とがった方を上にして植え付けます。
深さは球根2個分とし、球根同士は3個分(10~15cm)の間隔をあけるようにします。
球根の上に覆土して、たっぷりと水やりをすれば植え付けは完了です。
植えた場所が分かるように、名札を立てておくことをおすすめします。

鉢植えの場合

鉢植えで育てる場合は、5号鉢(直径15㎝)、鉢底ネット、鉢底石、草花用培養土、緩効性化成肥料を用意します。
鉢やポリポットのサイズは「号」で呼び、1号は直径3㎝です。
店頭で見かけるポット苗は、3号ポット(直径9㎝)が多く使われています。
鉢底石は、水はけを良くするためのもので、鉢の底面が隠れる程度に敷きます。

用土は、市販の培養土(元肥入り、土壌酸度調整済み)を使うと便利です。
用土を自分で作る場合は、赤玉土6、腐葉土3、パーライト1(または川砂1)などの割合で配合し、元肥として緩効性化成肥料を施します。
パーライトや川砂は、通気性と排水性をよくするために使用します。
用土を入れるときは、ウォータースペースを1~2cm取るようにします。

球根を植え付けるときは、5号鉢で3~4球、6号鉢で4~5球を栽培の目安にします。
球根は、とがった方を上にして、球根の頭が隠れるくらい程度に植え付けます。
鉢植えでは、深く植えすぎると根を張るスペースがなくなるため、浅く植え付けることがコツです。
球根同士の間隔は、球根1個分をあけるようにします。
球根の上に覆土をし、たっぷりと水やりをすれば植え付けは完了です。
植え付け後は、日当たりと風通しのよい場所に鉢を置いて管理します。

4.スイセンの手入れ

水やり

水やり

庭植えの場合は、根が土中の水分を吸い上げますので、自然の降雨で足ります。
ただし、雨が降らずに極端に土が乾いたときは、たっぷりと水やりをします。
高い位置から勢いよく水をかけると、泥が跳ねて土中の病原菌が傷口から侵入しますので注意します。

鉢植えの場合は、土が乾燥したら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
鉢は土の量が限られているため、乾燥しやすいので注意します。
水を与えるときは、花や葉に直接水をかけないようにし、冬の間も水やりを忘れないようにします。
球根を掘り上げない年は、休眠期の水やりを控えるようにします。

追肥

球根の植え付け時に、元肥として緩効性化成肥料を与えておきます。
追肥は、新芽が伸びたら、窒素分の少ない液体肥料を月に1~2回与えます。
花が咲き終わったら、葉が枯れるまでの期間、同様の液体肥料を月に3~4回与えます。

花がら摘み

花がらを放置しておくと、種を作るために栄養が取られてしまい、新しい花が咲かなかったり、小さな花になってしまいます。
花がらにカビが発生して病気になることもあるので、咲き終わった花がらは、花茎のつけ根から切り取ります。

増やし方

スイセンは、分球した球根(子球)を植えることで、増やすことができます。
毎年、きれいな花を咲かせるためには、子球を十分に肥大させることが大切になります。
子珠には、葉の光合成によって作られた養分と、根から吸収した養分が蓄えられます。このため、花が咲き終わっても葉は切り取らないようにします。

掘り上げ

スイセンは、一度植えればよく育って花もたくさん咲きます。
ただし、4~5年もすると分球が進んで養分を奪うあうため、花つきが悪くなってきます。このため、庭植えの場合は3~4年に1回、鉢植えの場合は1~2年で球根を掘り上げます。

掘り上げの時期は、葉が黄色くなって球根が充実した6月~7月が適しています。
掘り上げた球根は、枯れた茎葉を取り除いて、土が付いた状態で風通しの良い日陰で乾燥させます。
茎葉を取らずに、束ねて吊るして乾燥させる方法でもかまいません。
乾燥させた球根は、雨の当たらない日陰で保管し、10月~11月に植え付けます。

5.スイセンに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

スイセンの病気で最も気をつけたいのは、軟腐病とモザイク病です。
軟腐病は、土の中に潜んでいる細菌によって引き起こされます。
高温多湿の時期に発症しやすく、地際部分に水が浸みたような状態になり、やがて溶けて腐ってきます。
発病すると、薬剤による治療はできませんので、発病した株は引き抜いて撤去します。
過湿にならないように水はけをよくして、病気を予防します。

モザイク病は、ウイルスによる病気で、アブラムシがウイルスを媒介します。
発病すると、葉にモザイク状の斑点が現れます。
モザイク病は薬剤による治療はできませんので、発病した株は引き抜いて撤去します。

主な害虫

スイセンに発生する害虫は、4月頃から活動し始めるアブラムシが中心です。
アブラムシは、体長が2〜4㎜の小さな虫で、花や葉に群がって植物の栄養を吸い取ります。
アブラムシが大量に発生したら、殺虫剤で早めに駆除して拡大を防ぎます。

枯れる原因

スイセンは、栽培しやすい植物ですが、肥料を与え過ぎると肥料焼けを起こして枯れる原因になります。
日常管理では、水のやり過ぎに注意し、過湿状態にならないようにします。

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