1.ペラルゴニウムの基本情報
ペラルゴニウムについて見ていきましょう!
■分 類:半耐寒性多年草
■原 産:南アフリカ
■学 名:Pelargonium × domesticum
■別 名:ナツザキテンジクアオイ、ファンシーゼラニウム
■花言葉:真実の愛
■開花期:4~6月
ペラルゴニウムの鉢植えや苗が買えるお店
ペラルゴニウムを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
花屋やネットで購入できます。
2.ペラルゴニウムの特徴
ペラルゴニウムは南アフリカ原産で、フウロソウ科の半耐寒性多年草です。
近縁種のゼラニウムが「四季咲き」なのに対して、ペラルゴニウムは春~初夏にかけて咲く「一季咲き」です。
ゼラニウムに比べると夏と冬に弱いですが、バリエーション豊かで豪華な花を咲かせます。
- 雨に弱いので、管理しやすい鉢植えで育てる。
- 日当たりと風通しのよい場所を好む。
- 夏は風通しのよい半日陰で西日は避ける。
- 冬の寒さに当てないと花芽ができないので、冬期は霜のあたらない軒下などで管理する。
3.ペラルゴニウムの育て方
苗からの育て方
春ごろから開花株が出回るので購入して育てます。
▼良いもの
・茎が太く、節間が詰まってがっしりしたもの
・よく分枝していて、間延びしていないもの
・葉数が多く、葉色がよいもの
・つぼみが多くついているもの
ペラルゴニウムは雨に弱く、庭植えにすると雨で花が傷んで草姿が乱れてしまうので、鉢植えで育てましょう。
用土 | 市販の草花用培養土または赤玉土(中)6、腐葉土4の配合土など |
肥料 | 緩効性化成肥料 |
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
- 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
- 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
- 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
4.ペラルゴニウムの手入れ
冬越し | 夜間には暗くなり、5℃以上を保てる場所。冬の寒さに当てないと花芽ができないので、暖房している室内などは避けましょう。 |
夏越し | 雨の当たらない、風通しのよい半日陰で西日は避ける |
春と秋 | 日当たりと風通しのよい戸外 |
▼水やりのタイミングは?
鉢土の表面が乾いてきたら、たっぷりと与えます。過湿を避けて、やや乾燥気味に育てますが、夏の水切れには注意します。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
春と秋に、液肥を月に2~3回ほど与えます。
開花中に咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。
しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。
また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。
- 草丈を1/2~1/3に切り詰めます。切った枝先は挿し芽に利用できます。
- 古土をよく落とします。
- ひと回り大きな鉢に植えかえて、2~3日は明るい日陰に置きます。
- 徐々に明るい場所に移していきます。
- 摘心してわき芽を増やして育てると草姿がよくなります。
- 若い茎の先端を7~8cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
- 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
- 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
- 切り口を、水の入った容器に30分~1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
- 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
- 湿らせた挿し芽用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
- 静かにたっぷり水を与えます。
- 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
- 少しずつ日に当てる時間を増やし、3~4週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
- 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。
5.ペラルゴニウムに発生する病気と害虫
主な病気
▼症状
花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。
▼発生時期
真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)
▼予防と対策
- 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
- 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
- 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
- いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
▼症状
新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。
菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。
▼発生時期
高温多湿の5~7月、9~11月
▼予防と対策
- 普段から通気性をよくしておきましょう。
- チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
- 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。
主な害虫
▼症状
肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。
▼発生時期
3~10月(夏の高温乾燥時に多発)
▼予防と対策
- 早期発見、早期防除が大切です。
- 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
- 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
- 専用の殺ダニ剤で対処します。
▼症状
貝殻に似た厚い殻をかぶった黒い虫が、葉茎に寄生して栄養を吸い取ります。
植物の生育が妨げられ、ひどいと枯死します。また、すす病を誘発します。
▼発生時期
一年中
▼予防と対策
- 常に風通しをよくしておきます。
- 成虫は厚い殻をかぶっており抵抗力が強いので、前もって薬剤で予防しておきます。
- 幼虫の段階で見つけたら薬剤を散布します。
- 成虫を見つけたらブラシなどで落として捕殺します。
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