1.ラナンキュラスの基本情報
ラナンキュラスについて見ていきましょう!
■分 類:半耐寒性秋植え球根
■学 名:Ranunculus asiaticus
■別 名:ハナキンポウゲ(花金鳳花)
■花言葉:魅力的、美しい人格
■開花期:4月~5月
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2.ラナンキュラスの特徴
透明感のある薄い花弁が幾重にも重なり、華麗でボリュームたっぷりの大きな花を咲かせます。
多くの品種があり、花色や草丈のバリエーションも豊富です。また、同じ品種でも個体差があり、1本ごとで独自の色合いになることもあります。
秋植えの球根植物で、涼しい気候を好みます。秋に発芽し、春に開花。夏の暑い時期には休眠します。寒さには少し弱いので、霜のあたらない場所やコンテナ、鉢栽培に向いています。
ちなみにラナンキュラスの名前の由来は、ラテン語の「カエル(rana)」からつきました。葉のかたちがカエルの足に似ていて、しかもラナンキュラス属の多くがカエルの生息していそうな湿地を好むからです。
- 乾燥した球根はそのまま植えずに「芽出し」が必要。
- 寒さには少し弱いので、冬季は扱いに注意。
- 花が色あせてから散る前に、早めに花がらを摘む。
- 球根は6月頃に掘り上げて保存する。
3.ラナンキュラスの育て方
球根からの育て方
- バーミキュライトか川砂を育苗箱に入れ、適度に水をかけて湿らせておきます。
- 球根の尖っているタコ足側を下にして置き、上部が隠れる程度に浅く埋めます。
- 乾燥防止として育苗箱にビニールをかけて、直射日光の当たらない涼しいところへ置いておきます。1週間程度して乾くようなら霧吹きなどで湿らせます。
- 3週間くらいすると根や芽が出てくるので、植え付け作業に移ります。
- 鉢に鉢底ネットをセットして、鉢底石を均等に薄く敷き、市販の元肥入り球根用培養土を入れます。
- 土に穴を掘り、1~3cm程度の浅植えにします。5号鉢に2~3球を目安にします。
- 植え付けた後は、1ヶ月くらい涼しい所に置いてからよく日に当てます。
- 球根を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
- 土に穴を掘って球根を植え付けます。球根の間隔は横に15~20cm、覆土は3~5cmにします。
苗からの育て方(初心者におすすめ)
苗は1月~3月頃に市場に出回ります。
■良い苗
葉数やつぼみが多く、花茎が太くてしっかりとしているもの。
■悪い苗
葉っぱが痛んでいたり、黄色くなっているもの。
- 苗を植え付ける鉢を用意します。鉢の大きさは、いまの苗が入っているポットや鉢よりも、ひと回り大きいものを選びます。土の容量が多くなるので、そのぶん肥料を蓄えられるようになります。
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを穴の上に置きます。これで土の流出や害虫を防ぐことができます。
- 鉢の深さの「6分の1」くらいまで鉢底石を入れます。これで水はけと通気性がよくなり根腐れを防ぎます。
- 市販の元肥入り球根用培養土を、鉢の深さの「3分の1」くらいまで入れます。
- しおれた部分や黄変している葉は、植え付ける前にあらかじめカットしておきます。そのままつけておくと病害虫の原因になります。
- 苗を鉢の中心に置いてみて、苗の根元が鉢縁よりも少し低くなるようにします。
- 隙間に土を足し入れ、割り箸や棒などでつついて隙間を無くし、土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。この部分をウォータースペースと呼びます。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
- 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
- しおれた部分や黄変している葉は、植え付ける前にあらかじめカットしておきます。そのままつけておくと病害虫の原因になります。
- 日当たりの良い場所を選び、根鉢と同じくらいの植え穴をあけます。株間は20cmくらいを目安にとります。
- 植え穴に根鉢を置いて、高さを調整します。花壇の土の表面の高さと「同程度~やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
- たっぷりと水を与えます。
4.ラナンキュラスの手入れ
元肥には緩効性肥料を与え、生育期と開花中は月2回ほど液肥を与えます。
霜の当たらない軒下や室内などに移します。日当たりの良い場所で育てましょう。夜間は暖房していない5~10℃の低温下に置くと花が長持ちします。
霜よけが必要です。株元に、敷き藁・もみがらを置くなどして防寒対策をします。
▼水やりのタイミングは?
「土の表面が白っぽく乾いたら、たっぷりと」を目安にします。
水やりは、「週に何回やれば良いという画一的な答えはない」ということをまずは頭に入れましょう。というのも、同じ植物でも、季節・天候・温度・湿度、用土の種類・性質、鉢の種類・置き場所など、いろいろな条件によって最適な方法が違ってくるからです。
昔から「水やり3年」と言われるほど、水やりの判断は難しいものです。要するに、土が白っぽく乾いてきて、根が水分を欲しがっているときに与えるのが、最も効率がよい水やりということになります。
▼水やりの方法と注意点は?
花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
花に水がかかると、シミが出たりして、きれいに咲かないこともあります。季節によっては灰色かび病なども出やすくなるので要注意です。
▼季節ごとに水やりの時間帯を変えましょう
■春から初夏
植物が盛んに生育する時期なので、午前中10時ごろまでに1回、たっぷりと与えます。
■秋から冬
気温が低い時期は、なるべく暖かい昼ぐらいに水を与えましょう。夕方に水を与えるのは禁物です。余分な水が夜まで鉢内に残っていると、鉢土を凍らせたり、低温で根を傷めてしまいます。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
植物の根は水を吸うだけではなく、呼吸をしています。ある程度は土を乾かし、空気を入れることも重要です。
植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。
ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。
咲き終わった花をひとつずつ摘んでいく作業を「花がら摘み」といいます。こまめに花がらを摘むことで花つきが良くなり、傷んだ花弁にカビや害虫がつくのを防ぎます。
▼ラナンキュラスの花柄摘み
花が色あせてから散る前に、早めに摘みましょう。1本の花茎に数輪の花を咲かせますので、枝分かれした付け根からハサミで切り取ります。葉や茎はそのまま残します。ただし、黄変した葉は取り除き、落ちた花びらもこまめに拾いましょう。
- 葉が黄変して枯れてきたら、球根を掘り上げて水洗いします。
- 枯れた茎葉は球根からカットして取り除きます。
- 球根を日陰でしっかり乾燥させた後、ネットに入れて風通しの良い冷暗所で保管します。
5.ラナンキュラスに発生する病気と害虫
主な病気
▼症状
花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。
▼発生時期
真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)
▼予防と対策
- 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
- 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
- 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
- いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
▼症状
茎の途中に白い網状のかびが広がって、茎が褐色~黒色に変色して枯死します。
▼発生時期
6~8月
▼予防と対策
菌核は次の植物に伝染していくので、被害にあったすべての株を抜き取り、焼却処分します。また、菌核は土の中で生き続けているので、株の処分後ただちに土壌殺菌剤を散布します。
主な害虫
▼症状
葉に白い筋が現れます。葉の中に幼虫がもぐって、蛇行状に食害するため、葉の表面から見ると白い筋で絵を描いたように見えます。
▼発生時期
5~8月
▼予防と対策
白い筋をたどっていくと、先端に幼虫がいるので、その部分を押しつぶして退治します。葉ごと取り除いてもよいでしょう。また、蛹(さなぎ)になったものは、葉から落ちて土の上にたまることが多いので、土の上も確認するようにします。
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