シバザクラの育て方

1.シバザクラの基本情報

シバザクラについて見ていきましょう!

シバザクラの基本情報
■科 目:ハナシノブ科
■分 類:耐寒性多年草
■原 産:北アメリカ
■学 名:Phlox subulata
■別 名:ハナツメクサ、モスフロックス
■花言葉:忍耐、臆病な心、合意、一致
■開花期:4~5月

シバザクラの鉢植えや苗が買えるお店

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2.シバザクラの特徴

シバザクラは、サクラに似た小さな花を地面いっぱいに咲かせ、花のじゅうたんを広げたような幻想的な光景を見せてくれます。

寒さや暑さに強く、一度根づいてしまえば管理にそれほど手間がかからず、乾燥にも強いためグラウンドカバーやロックガーデンに最適な多年草です。

育て方のポイント
  • 日当たりと風通しがよく、水はけがよい場所で育てる。
  • 過湿に弱いので、梅雨時期までに株を半分くらいまで刈り込んでおく。
  • 寒さに強いのでとくに防寒せずとも冬越しできる。
  • 生長すると広がるので、株間は20~30cmくらいに広めにとる。

3.シバザクラの育て方

育て方

苗からの育て方

苗を購入する

春に出回る苗を購入して育てるのが一般的です。

▼良いもの
・株が蒸れていないもの
・株がグラつかずボリュームがあるもの
・葉がよく茂っているもの
・つぼみが多くついているもの

苗の植えつけ
適期:3~5月、9~10月
鉢植えの場合
場所:日当たりと風通しのよい場所
用土:赤玉土(小)6、腐葉土2、川砂2の配合土など
元肥:少量の緩効性化成肥料
  1. 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  3. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、苗を置きます。
  5. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  6. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所:日当たりと風通しがよく、水はけがよい場所
元肥:少量の緩効性化成肥料
株間:20~30cm(生長すると広がるので株間は広めに)
  1. 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
  2. 植え穴をあけて苗を置きます。
  3. 花壇の土の表面よりも「やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。
  5. 根がしっかりと張るまでは、2週間ほど水やりをするようにします。その後は、自然の降雨に任せます。

4.シバザクラの手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

鉢土がよく乾いたら、たっぷりと与えます。
過湿に弱いので、水の与えすぎには注意しましょう。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植えつけてから根がしっかりと張るまでは、2週間ほど水やりをするようにします。

その後は基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

肥料

春の開花に向けて控えめに追肥をします。

2月下旬~3月上旬:薄い液肥を2週間に1回ほど与えます。
3月下旬:緩効性化成肥料を置き肥します。

剪定
適期:花後の6月ごろ

シバザクラは過湿に弱いので、梅雨時期までに株を半分くらいまで刈り込んでおきましょう。風通しをよくして蒸れを防いでおけば、新芽が吹いてきて株姿もよくなります。

株分け
適期:花後の6月か、9~10月
  1. 株を掘り上げて、1株に2~3芽がつくように手やナイフで切り分けます。
  2. 枯れている部分があれば取り除きます。
  3. 3号ポットに1株ずつ植えて、たっぷりと水を与えます。
  4. しっかりと根が回ったら、定植したい場所に植えつけできます。
挿し木
適期:花後の6月か、9~10月
  1. 若い茎の先端を5~10cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に30分ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた赤玉土などの挿し木用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、2~3週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
  10. 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。
目土

シバザクラは同じ場所で長年育てていると、葉が落ちて株元がスカスカになることがあります。

茎が地上に浮き上がって隙間が見えたら、茎の下半分が埋まるくらいまで土を足してあげましょう。

そうすることで、茎から新根が出てきて、株の生長を促します。

5.シバザクラに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

かかりやすい病気はとくにありませんが、多湿による蒸れや、水のやりすぎによる根腐れに注意しましょう。

主な害虫

ハダニ

▼症状

肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。

▼発生時期

3~10月(夏の高温乾燥時に多発)

▼予防と対策

  • 早期発見、早期防除が大切です。
  • 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
  • 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
  • 専用の殺ダニ剤で対処します。

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