1.アサギリソウの基本情報
アサギリソウについて見ていきましょう!
■分 類:耐寒性多年草
■原 産:日本の北陸以北、樺太、千島、サハリン
■学 名:Artemisia schmidtiana
■別 名:アルテミシア
■花言葉:光・脚光を浴びる
■開花期:8~9月
アサギリソウの鉢植えや苗が買えるお店
アサギリソウを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
花屋やネットで購入できます。
2.アサギリソウの特徴
アサギリソウは、日本の北陸以北やサハリンの岩場に見られる、キク科ヨモギ属の多年草です。
きらきらと光に反射するシルバーグリーンの葉を鑑賞するリーフプランツです。夏から初秋にかけて、黄色い花も咲きますがあまり目立ちません。
アサギリソウという名前は、白い絹毛をまとって細かく分かれる葉のようすが、煙る朝霧のようであることに由来しています。
- 日当たりがよく、水はけのよい場所で育てる。
- 高原性植物で高温多湿に弱いので、風通しをよくしておく。
- 夏は、西日を避けて半日陰になるような場所で管理する。
- 冬の寒さには強いので、霜よけなどの対策はとくに必要はない。
3.アサギリソウの育て方
苗からの育て方
用土 | 市販の山野草の培養土か、鹿沼土1:赤玉土1の配合土など |
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
- 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
- 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
- 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
場所 | 日当たりと風通しのよい場所(夏の西日は避ける) |
土壌 | 水もちがよく、ある程度湿り気のある土 |
- 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
- 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
- 深植えしないように注意して、軽く押さえて安定させます。
- 株元にたっぷりと水を与えます。
4.アサギリソウの手入れ
▼水やりのタイミングは?
土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。多湿を嫌うので、水の与えすぎには注意します。冬場は乾燥気味に管理します。
▼水やりの方法と注意点は?
鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。
ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。
肥料はあまり必要ありません。春と秋の生育期に、月に1~2回ほど薄い液肥を施します。
花後に花茎を切り取ります。または、花が咲くと葉色が落ちるので、葉の美しさを長く鑑賞するなら花は開花前に剪定してもよいでしょう。
寒さには強いですが、晩秋に2/3ほどまで切り戻すと強い株に育ちます。
庭植えならほとんど必要ありませんが、鉢植えなら2~3年に1回は植え替えます。株を鉢から抜いて、古い土を1/3ほど落とし、必要なら株分けします。株はあまり小さく分けず、手で無理に力を入れなくても分かれる程度に分けます。
- 茎の先端を7~8cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
- 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。上半分にある葉で大きいものは、半分に切り詰めます。
- 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
- 切り口を、水の入った容器に30分~1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
- 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
- 湿らせた挿し芽用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
- 静かにたっぷり水を与えます。
- 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
- 少しずつ日に当てる時間を増やし、1~2ヶ月したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
- 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して育てます。
5.アサギリソウに発生する病気と害虫
主な病気
▼症状
細菌によって、栄養や水分の上昇がストップします。地上部はしおれて、地際は腐って溶けたようになります。腐敗した部分から強い悪臭を放つのが特徴です。一、二年草は生育しきらないうちに発生します。
▼発生時期
高温多湿の5~9月
▼予防と対策
- 発病後の回復は極めて困難なので、常に予防を心がけましょう。
- 細菌は植物の傷口から侵入するので、植物に傷がつかないようにします。株を丁寧に扱い、害虫による食害を防ぎましょう。
- 水はけをよくして、水を与えすぎないようにします。
- 発病した株は根ごと引き抜いて処分します。
- 細菌は土中で生き続けるので、殺菌剤を散布します。
▼症状
糸状菌(カビ)による病気で、主に葉に発生し、灰褐色から黒褐色で円形の小病斑を生じます。発病した部分は、穴が空いたり枯れたりして生育不良を起こします。
▼発生時期
春から秋の高温多湿期
▼予防と対策
- 予防するには、株間を広くとったり剪定をして風通しをよくしておきます。
- 菌は患部や土壌中に生き残るので、侵された部分はすぐに取り除いてゴミに出すか焼却処分します。
- 発病初期の薬剤散布で発生を防除します。
主な害虫
▼症状
緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。
▼発生時期
4~6月、9~10月がピーク
▼予防と対策
- 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
- 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
- アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
- 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
アサギリソウの育て方を読んだあなたにおすすめの記事: