アキレギア(セイヨウオダマキ)の育て方

1.アキレギアの基本情報

アキレギアについて見ていきましょう!

アキレギアの基本情報
■科 目:キンポウゲ科
■分 類:耐寒性多年草
■原 産:中部ヨーロッパ、北アメリカ
■学 名:Aquilegia
■別 名:アクイレギア、セイヨウオダマキ、オダマキ、コロンバイン
■花言葉:愚者
■開花期:4~6月

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2.アキレギアの特徴

花弁のつけ根が後ろに伸びる独特の形をしていて、その形が糸を巻き付けた苧環(おだまき)に似ていることからオダマキと呼ばれます。

外側にある花弁に見えるものは萼片で、本当の花びらは内側にある筒状のものです。

あまり知られていませんが、セイヨウオダマキはアメリカ合衆国の国花でもあります。

育て方のポイント
  • 春に種をまくと翌春に開花し、秋に種をまくと翌々春に開花する。
  • 日当たりがよく水はけのよい場所を好む。
  • 夏は西日の当たらない風通しのよい半日陰で管理する。
  • 冬に10℃以下の寒さに当てないと開花しないので注意する。

3.アキレギアの育て方

育て方

種から苗を育てる

種まき
適  期:5~6月
発芽適温:15~20℃
(1) 平鉢や育苗箱に種をまく
  1. 種は水にひと晩つけると発芽しやすくなります。
  2. 細かい種なので、砂を加えて増量させて、二つ折りにした封筒の上にのせてからまくと均一になります。
  3. 3mmくらい薄く覆土して、指で上から軽く押さえて種と土を密着させます。
(2) まき床を管理する

タネをまいた容器(まき床)は雨の当たらない、風通しのよい明るい日陰で管理します。発芽までは土を乾かさないようにします。

  • 透明なビニールなどをかぶせて湿気を保つようにします。
  • トレーや受け皿に水をため、鉢底穴から底面給水させます。
  • 上から霧吹きでたっぷりと水をやります。
(3) 発芽

発芽したら、すぐに覆いを外して徐々に日当たりのよい場所に移します。土の表面が乾いたら静かに水を与えます。

(4) 間引き

子葉が開いたら、密になっている部分の苗を引き抜いて、株間をあけるようにします。ピンセットで株元をそっと掴んで引き抜いてやります。

最初の間引きは、子葉が開いた直後に行います。一度だけで終わりではなく、隣の葉同士が触れ合ってきたら間引くようにして、最終的に必要な数だけの苗を残しましょう。

(5) 移植
  1. 本葉が2~3枚になったら、育苗箱などに移植して4~5cm間隔で植えて、秋まで管理します。
  2. 乾燥と多湿を嫌うので、夏は西日の当たらない風通しのよい半日陰に置いて育苗します。
  3. 9月中旬~10月になったら3号ポットに1株ずつ鉢上げして、春に植えつけます。

苗からの育て方

苗の植えつけ
適期:2~4月
鉢植えの場合
 鉢:5号鉢に1株を目安
用土:赤玉土7、腐葉土3
元肥:緩効性化成肥料
  1. 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  3. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  5. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  6. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所:日当たりと風通しがよく、夏は西日の当たらない半日陰になる場所
株間:矮性種25~30cm、高性種30~60cm
元肥:緩効性化成肥料
  1. 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 花壇の土の表面よりも「同程度~やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.アキレギアの手入れ

水やり
肥料

元肥として、緩効性肥料を施します。

追肥として、2~4月と9~11月に、月1~2回液肥を施します。

水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

「土の表面が乾いたら、たっぷりと」を目安にします。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

花がら摘み

種を採種しない場合は、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。

植えかえ、株分け
適期:9~10月

地植えでは3~4年に1回、鉢植えは毎年行うとよいでしょう。

株分けは、芽を2~3つけて切り分けます。

5.アキレギアに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

うどんこ病

▼症状

新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。

菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。

▼発生時期

高温多湿の5~7月、9~11月

▼予防と対策

  • 普段から通気性をよくしておきましょう。
  • チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
  • 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
ハダニ

▼症状

肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。

▼発生時期

3~10月(夏の高温乾燥時に多発)

▼予防と対策

  • 早期発見、早期防除が大切です。
  • 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
  • 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
  • 専用の殺ダニ剤で対処します。
ヨトウムシ

▼症状

チョウやガの幼虫です。夜行性なので、昼間は土中などに潜み、夜間になると出てきて葉や花芽を食害します。

▼発生時期

3~6月、8~10月

▼予防と対策

  • 成虫やサナギには薬剤の効果がうすくなるので、幼虫のうちに早期対策をします。
  • 産卵のかたまりを見つけたら、孵化する前に除去します。
  • 夜間に植物をチェックして、幼虫を見つけたら捕殺します。
  • 成虫のチョウやガが飛んできて卵を産み付けるため、害虫忌避剤を散布します。

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