アジサイの育て方

1.アジサイの基本情報

アジサイについて見ていきましょう!

アジサイの基本情報
■科 目:ユキノシタ科
■分 類:耐寒性落葉低木
■原 産:日本
■学 名:Hydrangea macrophylla
■別 名:ハイドランジア、シチヘンゲ、テマリバナ
■花言葉:移り気、乙女の愛
■開花期:5~7月(初夏の花)

アサガオの鉢植えや苗が買えるお店

アサガオを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!

2.アジサイの特徴

アジサイは日本原産の花で、梅雨の時期に花を咲かせる低木です。

ヨーロッパで改良されたものはハイドランジア(西洋アジサイ)と呼ばれ、鉢花として多く出回っています。

アジサイの花色は土の酸度によって変化し、酸性なら青い花、アルカリ性なら赤い花になります。このことから、「移り気」という花言葉がつきました。

育て方のポイント
  • 用土の乾燥を嫌うので水切れにならないようにする。
  • アジサイの花色は土の酸度に影響を受ける。
  • 7月下旬の花後すぐに、花の2~3節下のところで切り戻す。
  • 挿し木で増やすことができる。

3.アジサイの育て方

育て方

苗からの育て方

苗の選び方

春と秋にポット苗が出回ります。購入後はなるべく早く、ひと回り大きな鉢か花壇に植えつけるようにします。

鉢花を購入した場合は、そのまま軒下などで楽しみ、秋になったら植え替えます。

■良い苗
・株全体が引き締まっていてボリュームがあるもの。
・つぼみが大きくて、葉のツヤがよいもの。

■悪い苗
・枝が弱々しく伸びて全体的にバランスが悪いもの。
・葉が黄色く枯れているもの。

苗の植え付け
適期:2~3月、10~11月
鉢植えの場合
用土例: 赤玉土(小)6、腐葉土3、バーミキュライト1
肥料: 元肥として緩効性化成肥料
  1. 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  3. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、苗を鉢の中心に置いてみます。
  5. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  6. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所: 風通しのよい明るい日陰
株間: 1~1.5mほど
  1. 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。元肥として緩効性化成肥料を加えます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 花壇の土の表面よりも「同程度~やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.アジサイの手入れ

水やり
栽培場所

風通しのよい明るい日陰を好みます。日なたでも問題ありませんが、真夏の直射日光は避けるようにします。

冬は北風に当てないようにします。

水やり
鉢植えの場合

とにかく用土の乾燥を嫌い、水を好むので水切れにならないようにします。土の表面が乾きかけたら直ぐにたっぷりと与えます。

冬も根を乾燥させないように10日に1回くらい水を与えます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。

用土

アジサイの花色は土の酸度に影響を受けます。そのため、酸度を調整することで鮮やかな花色に保つことができます。

ブルー系の花

用土: 酸性(赤玉土小粒5、腐葉土3、ピートモス2)
肥料: リン酸が少ないもの

レッド系の花

用土: 弱アルカリ性(赤玉土小粒7、腐葉土3、一握りくらいの苦土石灰)
肥料: リン酸が多いもの

肥料
鉢植えの場合

元肥:緩効性化成肥料
追肥:10日に1回1000倍液肥

地植えの場合

元肥:緩効性化成肥料
追肥:3月にアジサイ専用の固形肥料

花がら摘み

開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。

剪定・切り戻し
適期:7月下旬~8月上旬

花後すぐに、花の2~3節下のところで切り戻しましょう。わき芽から伸びた枝が生長して、9~10月に花芽がつきます。

花後すぐに切り戻さないと、花がどんどん高い位置について間延びしてしまいます。

植え替え

株が大きくなって鉢いっぱいになったものは、花後にひと回り大きな鉢に植え替えるようにします。

挿し木
適期:5~7月

アジサイは、挿し木で増やすことができます。

  1. わき芽のついた枝を10cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉はつみ取って、残りの上半分の葉で大きいものは半分に切ります。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた挿し木用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、2~3週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
  10. 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。

5.アジサイに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

灰色かび病(ボトリチス病)

▼症状

花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。

▼発生時期

真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)

▼予防と対策

  • 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
  • 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
  • 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
  • いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
うどんこ病

▼症状

新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。

菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。

▼発生時期

高温多湿の5~7月、9~11月

▼予防と対策

  • 普段から通気性をよくしておきましょう。
  • チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
  • 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
ハダニ

▼症状

肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。

▼発生時期

3~10月(夏の高温乾燥時に多発)

▼予防と対策

  • 早期発見、早期防除が大切です。
  • 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
  • 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
  • 専用の殺ダニ剤で対処します。
Photo on Foter.com

アジサイの育て方を読んだあなたにおすすめの記事: