シクラメンの育て方

1.シクラメンの基本情報

シクラメンについて見ていきましょう!

シクラメンの基本情報
■科 目:サクラソウ科
■分 類:半耐寒性秋植え球根
■原 産:地中海沿岸
■学 名:Cyclamen persicum
■別 名:カガリビバナ
■花言葉:嫉妬(赤)、恥ずかしがりや(桃)、切ない愛を受け取って
■開花期:11~3月

シクラメンの鉢植えや苗が買えるお店

シクラメンを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!

2.シクラメンの特徴

シクラメンは、年末に出回る代表的な鉢物で「冬の鉢花の女王」と呼ばれます。

一般的なシクラメンは暑さと寒さに弱いので、冬は室内で育てるのが一般的です。

ただし、ガーデンシクラメンと呼ばれる小型種は、暑さと寒さに比較的強いので戸外で育てることが可能です。

育て方のポイント
  • 寒さに弱いので、開花中は日当たりのよい窓辺に置く。
  • 暖房を避け、適温は15℃を目安に、夜間も5℃以下にしない。
  • 開花中は月に2~3回、1000倍に薄めた液肥を施こす。
  • 高温多湿に弱いので、翌年も花を楽しむためには夏越しがポイント。

3.シクラメンの育て方

育て方
鉢花の選び方

秋~冬に鉢花やポット苗が出回ります。

種を購入することもできますが、発芽から開花まで15ヶ月かかるので、鉢花を購入して育てるのが一般的です。

■良いもの
・全体にバランスがよく、株が締まっているもの。
・つぼみや葉数が多く、花が中央に集まって咲いているもの。

■悪いもの
・葉にツヤがなく、黄色くなっているもの。
・茎が弱々しく、間延びしているもの。

開花中の育てる場所

寒さに弱いので、鉢植えにして室内で管理します。

適温は15℃を目安に、夜間も5℃以下にしないようにします。

昼間は室内のよく日が当たる窓辺に、夜間は部屋の暖かいところへ移動させましょう。暖房は避けるようにします。

また、冬の暖かい日は外に出して日光浴させて、午後に早めに取りこむと良いでしょう。

ガーデンシクラメン

暑さと寒さに比較的強い小型種です。戸外で育てられますが、北風や霜には当てないようにします。

庭植え:日当たりがよく風通しのよい場所に植えます。
鉢植え:南向きの軒下などの陽だまりに置きます。

肥料

開花中は月に2~3回、1000倍に薄めた液肥を施します。

水やり

▼水やりのタイミングは?

「土の表面が乾いたら、たっぷりと」を目安にします。暖かい日の午前中に与えて、夜冷え込むときには与えないようにします。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎・球根の上部には水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。

密植されている場合は、鉢底から水を吸わせる底面給水をすると良いでしょう。

4.シクラメンの手入れ

水やり
花がら摘み

開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

花茎の付け根を手でひねるように引き抜くと、基部から簡単に抜けます。

ただし、傷口から病原菌が入りやすいので、水やりの前後に行うのは避けましょう。

葉組み

シクラメンは、葉が茂って株元の球根に光が当たらない状態だと、花芽ができにくくなります。

内側の葉を引き出して中央を空けて、球根に光が当たるようにすると良いでしょう。

夏越し~植えかえ

シクラメンは地中海沿岸原産で高温多湿に弱いので、翌年も花を楽しむためには夏越しがポイントとなります。

  1. 花後も室内の窓辺で日に当てるようにします。
  2. 5月になったら雨の当たらない戸外に出します。
  3. 水は土の表面が乾いたら、茎に当たらないように与えます。
  4. 6~8月は風通しのよい日陰に移します。
  5. 徐々に水やりを減らしていき、完全に鉢土を乾燥させて球根を休眠させます。
  6. 9月に休眠から覚めて芽が出始めます。
  7. 鉢から球根を取り出して、鉢土を落とし、根を切り詰めます。
  8. 新しい土に浅く植えかえます。
  9. 水を与えて日当たりのよい場所で育てます。

5.シクラメンに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

灰色かび病(ボトリチス病)

▼症状

花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。

▼発生時期

真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)

▼予防と対策

  • 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
  • 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
  • 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
  • いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
うどんこ病

▼症状

新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。

菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。

▼発生時期

高温多湿の5~7月、9~11月

▼予防と対策

  • 普段から通気性をよくしておきましょう。
  • チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
  • 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。

主な害虫

ハダニ

▼症状

肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。

▼発生時期

3~10月(夏の高温乾燥時に多発)

▼予防と対策

  • 早期発見、早期防除が大切です。
  • 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
  • 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
  • 専用の殺ダニ剤で対処します。

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