シュウメイギク(秋明菊)の育て方

1.シュウメイギクの基本情報

シュウメイギクについて見ていきましょう!

シュウメイギクの基本情報
■科 目:キンポウゲ科
■分 類:耐寒性多年草/宿根草
■原 産:中国、日本
■学 名:Anemone hupehensis
■別 名:キブネギク
■花言葉:薄れゆく愛、忍耐
■開花期:9~10月

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2.シュウメイギクの特徴

シュウメイギクは「キク」と名前についていますが、キク科ではなくキンポウゲ科アネモネ属です。英名は「ジャパニーズアネモネ」といいます。

古くに中国から渡来し、かつて京都の貴船山に群生していたので「キブネギク」とも呼ばれています。

育て方のポイント
  • やや湿り気のある半日陰を好む。
  • 保水性がよくて有機質に富んだ弱酸性の土壌を好む。
  • 夏は水切れに注意する。
  • 株が混み合って生育が悪くなったら、株分けを兼ねて植えかえる。
  • 寒さには強いので防寒は基本的に必要ない。

3.シュウメイギクの育て方

育て方
栽培環境

やや湿り気のある半日陰を好みます。

土は、水はけと水もちがよくて、有機質に富んだ弱酸性の土壌を好みます。

夏は西日の当たらない風通しのよい場所で育て、水切れに注意しましょう。

苗からの育て方

苗の植えつけ
適期:3~4月、9~10月
鉢植えの場合
 鉢:6号鉢に1~2株(深めの鉢)
用土:赤玉土4、鹿沼土4、腐葉土2
肥料:元肥として緩効性肥料
  1. 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  3. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  5. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  6. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させます。
地植えの場合
場所:湿り気のある半日陰
株間:60cm
  1. シュウメイギクは腐植質の多い湿り気のある土を好みます。堆肥と有機配合肥料を土とよく混ぜておきます。
  2. 深さ30cmくらいまでよく耕しておきます。
  3. 植え穴をあけて根鉢を置いて、高さを調整します。花壇の土の表面より「やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.シュウメイギクの手入れ

水やり
肥料

元肥と花後に、控えめに緩効性肥料を施します。

水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

乾燥を嫌うので、土の表面が乾きかけたらたっぷりと与えます。

夏は水切れにならないように注意しましょう。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

切り戻し

花後に花茎ごと切り戻すと、次の花が咲いてきます。

花がら摘み

開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。

植えかえ、株分け
適期:3~4月

株が混み合って生育が悪くなったら、株分けを兼ねて植えかえます。地植えなら2~3年に1回、鉢植えなら毎年行うとよいでしょう。

根土を半分落として、新しい用土で、ひと回り大きな鉢へ植えかえます。根元に子株ができていたら、2~3芽ずつに分けて植えつけましょう。

冬越し

寒さには強いので防寒はとくに必要ありません。日当たりのよい戸外で越冬できます。

冬は地上部が枯れるので、根元の新芽は残して、花を咲かせ終わった茎を下から切り取るとよいでしょう。

5.シュウメイギクに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

白絹病・菌核病

▼症状

茎の途中に白い網状のかびが広がって、茎が褐色~黒色に変色して枯死します。

▼発生時期

6~8月

▼予防と対策

菌核は次の植物に伝染していくので、被害にあったすべての株を抜き取り、焼却処分します。また、菌核は土の中で生き続けているので、株の処分後ただちに土壌殺菌剤を散布します。

うどんこ病

▼症状

新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。

菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。

▼発生時期

高温多湿の5~7月、9~11月

▼予防と対策

  • 普段から通気性をよくしておきましょう。
  • チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
  • 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
ヨトウムシ

▼症状

チョウやガの幼虫です。夜行性なので、昼間は土中などに潜み、夜間になると出てきて葉や花芽を食害します。

▼発生時期

3~6月、8~10月

▼予防と対策

  • 成虫やサナギには薬剤の効果がうすくなるので、幼虫のうちに早期対策をします。
  • 産卵のかたまりを見つけたら、孵化する前に除去します。
  • 夜間に植物をチェックして、幼虫を見つけたら捕殺します。
  • 成虫のチョウやガが飛んできて卵を産み付けるため、害虫忌避剤を散布します。

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