1.カーネーションの基本情報
カーネーションについて見ていきましょう!
■分 類:半耐寒性多年草
■原 産:南ヨーロッパ、西アジア
■学 名:Dianthus caryophyllus
■別 名:オランダセキチク、アンジャベル
■花言葉:母の愛情
■開花期:4~6月、9~11月
カーネーションの鉢植えや苗が買えるお店
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2.カーネーションの特徴
カーネーションといえば、「母の日」に感謝の意を込めた贈り物としておなじみの花です。
切り花としての需要が多いですが、最近では花壇や鉢植えに適したボーダーカーネーションやポットカーネーションという矮性種も人気があります。
- 日当たりと風通しのよい場所を好む。
- 過湿に弱いので、水はけをよくして乾かし気味に育てる。
- 蒸れを防ぐため、花後に株全体の半分くらいまで切り戻す。
- 酸性土を嫌うので土に苦土石灰を混ぜて中和しておく。
- 挿し芽で増やすことができる。
3.カーネーションの育て方
苗からの育て方
2~5月頃にポット苗や開花鉢が出回るので入手します。
▼良いもの
・株がしっかりと締まっているもの
・間延びしていないもの
・花が1/3以上咲いていてつぼみが多いもの
・葉が黄変していないもの
用土:市販の草花用培養土に、少量の川砂を混ぜる
元肥:緩効性化成肥料
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
- 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
- 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
- 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
株間:20~30cm
元肥:緩効性化成肥料
- 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
- 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
- 花壇の土の表面よりも「高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
- 株元にたっぷりと水を与えます。
4.カーネーションの手入れ
冬越し | 【室内】暖房していない、日当たりのよい窓辺 |
夏越し | 【戸外】雨がかからない、風通しのよい半日陰 |
春と秋 | 【戸外】日当たりと風通しのよい場所 |
▼水やりのタイミングは?
土の表面が乾いてからそっと与えます。過湿に弱いので乾かしぎみに管理し、夏の蒸れに注意します。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。
わりあい肥料を好むので、真夏以外に定期的に施します。
月1回くらい緩効性化成肥料を置き肥するか、月3回くらい液肥を与えます。
花つきが悪くなったり葉が黄変していたら、肥料不足のサインです。
カーネーションは次々と花を咲かせます。開花中に咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。
しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。
1茎に複数の花が咲くので、しおれた順に摘みとります。そのあと1茎の花がすべて終わったら、花茎を株元の新しいわき芽の上で切りとります。
また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。
蒸れに弱いので、全体の半分くらいまで切り戻して、風通しをよくします。
- 新しく伸びたわき芽を7~8cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
- 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
- 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
- 切り口を、水の入った容器に1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
- 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
- 湿らせた挿し芽用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
- 静かにたっぷり水を与えます。
- 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
- 少しずつ日に当てる時間を増やし、3~4週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
- 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。
苗が伸びはじめたら、1月中旬ごろまでに頂点の芽を摘んで、わき芽を伸ばして育てるとよいでしょう。ただし、摘心の時期が遅れると開花も遅くなるので注意します。
5.カーネーションに発生する病気と害虫
主な病気
▼症状
葉に濃淡のモザイク状(まだら模様)の病斑が現れます。葉や茎が萎縮したり、変形、変色するなど、症状はさまざまです。
ウイルスは主にアブラムシによって運ばれて伝染します。
▼発生時期
3~10月
▼予防と対策
- 一度感染すると治療できません。
- 主にアブラムシによって伝染するので、アブラムシ対策を徹底します。
- 他へ伝染しないように、発病した株は抜いて焼却処分します。
▼症状
花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。
▼発生時期
真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)
▼予防と対策
- 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
- 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
- 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
- いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
主な害虫
▼症状
緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。
▼発生時期
4~6月、9~10月がピーク
▼予防と対策
- 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
- 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
- アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
- 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
▼症状
肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。
▼発生時期
3~10月(夏の高温乾燥時に多発)
▼予防と対策
- 早期発見、早期防除が大切です。
- 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
- 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
- 専用の殺ダニ剤で対処します。
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