1.ダリアの基本情報
ダリアについて見ていきましょう!
■分 類:春植え非耐寒性球根
■原 産:メキシコ、グアテマラの高地
■学 名:Dahlia
■別 名:テンジクボタン(天竺牡丹)
■花言葉:優雅さと気高さ
■開花期:6~10月
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2.ダリアの特徴
メキシコの国花として知られるダリアの原産は、メキシコからグアテマラの高地で、スウェーデンの植物学者A・ダールにちなんで名付けられました。
ダリアは江戸時代末期にオランダから日本に渡来し、「外国産の牡丹のような華麗な花」という意味合いで「天竺牡丹」と呼ばれていました。
発見されてから約400年間で、3万品種を超える園芸種が生み出されています。花形・花色とも豊富で、巨大輪から小輪まで揃っており、世界中で親しまれています。
- 球根の芽を上に向けて植える。
- 茎が倒れないように支柱を立てる。
- 水やりは、土の表面が乾いたら、たっぷりと。
- 花後に切り戻すと、二番花、三番花を咲かせる。
- 球根は5℃以下になると腐るので、気温に注意。
- 分球、挿し木(挿し芽)で増やせる。
- 病害虫に注意。
3.ダリアの育て方

球根からの育て方
▼球根の選び方
良い球根:
首がしっかりしていて、芽が見えているもの。
悪い球根:
芽がついていないもの。傷、シミ、カビ、病斑のあるもの。
鉢の大きさ: 大輪種は8号以上に1球、中小種は5~6号鉢に1球
用 土: 赤玉土(小)6、腐葉土3、パーライト1
肥 料: 元肥として緩効性化成肥料
植える深さ: 3~5cm
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、穴の上に置きます。
- 鉢底石を均等に薄く敷きます。
- 鉢の3分の2くらいまで、用土を入れます。
- 球根を「やや斜め~水平」にして、「芽は上に向けて」、鉢の中央に置きます。
- 球根の芽のすぐそばに支柱を立てます。
- 3~5cm覆土して、土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
- 鉢底から水が出るまでたっぷりと水を与えます。
植える間隔: 大輪種70cm、中輪種50cm、小輪種40cmを目安
植える深さ: 3~5cm
- 球根を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
- 球根を「やや斜め~水平」にして、「芽は上に向けて」、植え穴の中央に置きます。
- 球根の芽のすぐそばに支柱を立てます。
- 3~5cm覆土して、花壇の土の表面よりも「やや高く」なるように、高さを調整します。
- 株元にたっぷりと水を与えます。
苗からの育て方(初心者におすすめ)
春頃に開花株が出回るので、花形や花色を見て好みのものを選びましょう。
■良い苗
・株元や茎がしっかりしているもの。
・葉の色がよく、わき芽や葉数が多いもの。
■悪い苗
・葉色が黄ばんで、しおれているもの。
・茎が弱々しく伸びて、全体にバランスが悪いもの。
用土: 赤玉土(小)6、腐葉土3、パーライト1
肥料: 元肥として緩効性化成肥料
- 苗を植え付ける鉢を用意します。鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きいものを選びます。
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
- 鉢の深さの「6分の1」くらいまで、鉢底石を入れます。
- 鉢の深さの「3分の1」くらいまで、用土を入れます。
- しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめ取り除いておきます。
- 苗を鉢の中心に置いてみて、苗の根元が鉢縁よりも少し低くなるようにします。
- 隙間に土を足し入れ、棒などでつついて隙間を無くし、土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
株間: 大輪種70cm、中輪種50cm、小輪種40cmを目安
- 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
- しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめカットしておきます。そのままつけておくと病害虫の原因になります。
- 植え穴をあけて根鉢を置きます。花壇の土の表面よりも「やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
- 株元にたっぷりと水を与えます。
4.ダリアの手入れ

▼水やりのタイミングは?
「土の表面が乾いたら、たっぷりと」を目安にします。
▼水やりの方法と注意点は?
花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。
ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。
春と秋は緩効性化成肥料を追肥しますが、夏は施肥をやめます。
開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。
しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。
また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。
▼天花仕立て(大輪咲向き)
先端の花(天花)を1つだけ立派に咲かせ終わった後に、二番花で複数の花を咲かせる方法です。
- 先端の花を1つだけ選んで残します。
- 地際から3~4節だけ残して、それより上部のわき芽は全てかき取ります。
- 先端の花が咲き終わったら切り戻して、地際に残った3~4節のわき芽を伸ばして次の花を咲かせます。
▼摘心仕立て(小~中輪咲向き)
- 草丈が15cmくらいになったときに、地際の芽を2~3節分だけ残して摘心します。
- わき芽が伸びて多くの花が咲きます。花後に切り戻すと、さらに多くの花が咲きます。
球根は5℃以下になると腐るので、寒冷地では気温に注意しましょう。
鉢植えの場合は、霜が降りて地上部が枯れたら水やりを中止し、鉢のまま凍らない場所で乾燥保存します。
▼寒冷地
球根を掘り上げて、乾燥しすぎないうちに、乾いたバーミキュライトやピートモスなどに詰めて、5℃以上の場所で保存します。分球は、春の植え付け時におこないます。
▼暖地
花壇でも、そのまま土を盛り上げてビニールなどで覆っておけば冬越しできます。
- 2~3月になると球根から新しい芽(発芽点)が出てきます。
- 「1つの球根に芽が1つだけ」になるように、ハサミで切り分けます。
ダリアは、挿し木(挿し芽)で増やすことができます。
- わき芽のついた茎を7~10cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
- 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
- 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
- 切り口を、水の入った容器に1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
- 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
- 湿らせた挿し芽用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
- 静かにたっぷり水を与えます。
- 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
- 少しずつ日に当てる時間を増やし、2~3週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
- 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。
5.ダリアに発生する病気と害虫

主な病気
▼症状
花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。
▼発生時期
真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)
▼予防と対策
- 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
- 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
- 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
- いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
▼症状
葉に濃淡のモザイク状(まだら模様)の病斑が現れます。葉や茎が萎縮したり、変形、変色するなど、症状はさまざまです。
ウイルスは主にアブラムシによって運ばれて伝染します。
▼発生時期
3~10月
▼予防と対策
- 一度感染すると治療できません。
- 主にアブラムシによって伝染するので、アブラムシ対策を徹底します。
- 他へ伝染しないように、発病した株は抜いて焼却処分します。
▼症状
新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。
菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。
▼発生時期
高温多湿の5~7月、9~11月
▼予防と対策
- 普段から通気性をよくしておきましょう。
- チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
- 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。
主な害虫
▼症状
緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。
▼発生時期
4~6月、9~10月がピーク
▼予防と対策
- 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
- 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
- アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
- 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
▼症状
肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。
▼発生時期
3~10月(夏の高温乾燥時に多発)
▼予防と対策
- 早期発見、早期防除が大切です。
- 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
- 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
- 専用の殺ダニ剤で対処します。
▼症状
地際の茎が食いちぎられて、昨日まで元気だった株が翌朝にパタリと倒れています。雑食性の「蛾の幼虫」による仕業です。
▼発生時期
5~10月
▼予防と対策
- 幼虫は、昼間は土中に潜伏しています。株のまわりを数cm掘ると、茶色の虫が見つかります。
- 見つけしだい駆除します。
- 発生前にオルトラン粒剤、発生後は誘殺剤を散布しましょう。
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