1.フクシアの基本情報
フクシアについて見ていきましょう!
■分 類:非耐寒性常緑低木
■原 産:中南米、西インド諸島
■学 名:Fuchsia
■別 名:ホクシア、ツリウキソウ、チャイニーズランタン
■花言葉:愛を信じます、好み、趣味が良い
■開花期:5~7月/9~11月
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2.フクシアの特徴
フクシアの英名は、レディース・イヤードロップス(貴婦人の耳飾り)といい、イヤリングのようなかわいい花がたくさん垂れ下がって咲きます。
花は下側にある円錐形の部分だけで、花の上側で反り返っている部分は萼(がく)です。
カラッとした気候の中南米が原産で、日本の夏の高温多湿は苦手なので、夏越しには注意が必要です。
- 季節に応じた管理が必要。
- 高温多湿が苦手なので、夏は半日陰で管理する。
- 6月頃に株元から1/3ほど残して切り戻す。
- 冬は室内の明るい窓辺で管理する。
- 挿し木で増やすことができる。
3.フクシアの育て方
苗からの育て方
春~初夏にポット苗や鉢花が出回るので、生長した開花株を購入するのがおすすめです。
■良い苗
・株元がしっかりしていて、葉や枝が間延びしていないもの。
・葉の色がよく、つぼみや花数が多いもの
■悪い苗
・葉色が黄ばんで、しおれているもの。
・枝が弱々しく伸びて、全体にバランスが悪いもの。
用土: 赤玉土7、腐葉土3
肥料: 元肥として緩効性化成肥料
- 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
- 鉢の深さの「6分の1」くらいまで、鉢底石を入れます。
- 鉢の深さの「3分の1」くらいまで、用土を入れます。
- しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめ取り除いておきます。
- 苗を鉢の中心に置いてみて、苗の根元が鉢縁よりも少し低くなるようにします。
- 隙間に土を足し入れ、棒などでつついて隙間を無くし、土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
4.フクシアの手入れ
▼水やりのタイミングは?
「土の表面が乾いたら、たっぷりと」を目安にします。ただし、夏と冬は控えめに与えます。
▼水やりの方法と注意点は?
花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
フクシアは夏と冬に弱いので、管理場所に注意します。
春:戸外で日に当てる
夏:戸外の半日陰
秋:戸外で日に当てる
冬:室内の窓辺
フクシアは高温多湿に弱いので、うまく夏越しできるかが栽培の大きなポイントです。
- 6月頃に花が咲き終わったら、株元から1/3ほど残して切り戻します。
- 水やりを控えめにして、肥料は施さないで、半休眠状態にします。
- 風通しがよく、涼しい半日陰で管理します。
フクシアは寒さにも弱いので、冬の管理にも注意を払いましょう。
- 水やりを控えめにして、肥料は施しません。
- 軒下などに置き、霜のおそれがあるときは室内の窓辺に置きます。
開花期間中は液肥を与えます。夏と冬は肥料を施しません。
4~6月:薄めた液肥を週1回
夏:なし
9~10月:薄めた液肥を週1回
冬:なし
開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に花茎を切り取りましょう。
しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。
また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。
時期:6月、9~10月
鉢が根でいっぱいになると花つきが悪くなり、草姿も乱れてしまうので、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
6月に切り戻しと同時に行うか、涼しくなってきた9~10月に行います。
フクシアは挿し木で増やすことができます。
- 元気に生育している株の枝先から7~10cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
- 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
- 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
- 切り口を、水の入った容器に1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
- 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
- 湿らせた挿し木用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
- 静かにたっぷり水を与えます。
- 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
- 少しずつ日に当てる時間を増やし、2~3週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
- 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。
5.フクシアに発生する病気と害虫
主な病気
▼症状
花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。
▼発生時期
真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)
▼予防と対策
- 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
- 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
- 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
- いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
主な害虫
▼症状
緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。
▼発生時期
4~6月、9~10月がピーク
▼予防と対策
- 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
- 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
- アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
- 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
▼症状
肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。
▼発生時期
3~10月(夏の高温乾燥時に多発)
▼予防と対策
- 早期発見、早期防除が大切です。
- 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
- 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
- 専用の殺ダニ剤で対処します。
▼症状
チョウやガの幼虫です。夜行性なので、昼間は土中などに潜み、夜間になると出てきて葉や花芽を食害します。
▼発生時期
3~6月、8~10月
▼予防と対策
- 成虫やサナギには薬剤の効果がうすくなるので、幼虫のうちに早期対策をします。
- 産卵のかたまりを見つけたら、孵化する前に除去します。
- 夜間に植物をチェックして、幼虫を見つけたら捕殺します。
- 成虫のチョウやガが飛んできて卵を産み付けるため、害虫忌避剤を散布します。
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