ホウキギ(ホウキグサ)の育て方

1.ホウキギの基本情報

ホウキギについて見ていきましょう!

ホウキギの基本情報
■科 目:アカザ(ヒユ)科
■分 類:非耐寒性春まき一年草
■原 産:ユーラシア大陸の乾燥地
■学 名:Bassia scoparia(= Kochia scoparia)
■別 名:ホウキグサ、コキア、ニワクサ、バッシア
■花言葉:打ち明ける
■開花期:9月(鑑賞期:6~11月、紅葉期:10~11月)

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2.ホウキギの特徴

ホウキギは、ユーラシア大陸に広く分布するアカザ(ヒユ)科の一年草で、自生地は温暖な気候の草原地帯や乾燥地帯です。

草丈50~100cmで、株はこんもりと茂り、秋には紅葉して美しい姿を見せてくれます。

また、ホウキギの果実は食用にも加工され、秋田の特産品「とんぶり」は畑のキャビアなどと形容されます。

ホウキギという名前は、枝を束ねてホウキに利用していたことに由来します。

育て方のポイント
  • 日当たりがよく、水はけのよい場所で育てる。
  • やせ地でもよく育ち、肥沃地では徒長して株が軟弱になる。
  • 移植を嫌うので直まきにするか、ポットまきにして苗をつくる。
  • 多湿を嫌うので、水の与えすぎには注意する。

3.ホウキギの育て方

育て方

種からの育て方

種まき概要
適  期:4~6月
発芽適温:20~25℃
発芽日数:2週間程度
直まきの場合
適期:5~6月
花壇に直まき
  1. あらかじめ土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。元肥として緩効性化成肥料を加えます。
  2. 3~4粒を点まきして、5mmほど覆土し、たっぷり水を与えます。
  3. 発芽までは、土の表面が白く乾いたら、そっと水を与えます。
  4. 子葉が開いたら、数回に分けて間引いていき、最終的に育てる株を残します。
鉢に直まき
  1. 鉢底穴の上に鉢底網をセットして、鉢底石を薄く敷き詰めます。
  2. 用土を入れます。元肥として緩効性化成肥料を入れて、よく混ぜ合わせます。
  3. 3~4粒を点まきして、5mmほど覆土し、たっぷり水を与えます。
  4. 発芽適温が保てる雨の当たらない場所に移動して、土の表面が乾かないように管理します。
  5. 子葉が開いたら、数回に分けて間引いていき、最終的に育てる株を残します。
ポットまきの場合
適期:4~6月
  1. 育苗用土をポットに入れます。ポットの縁より0.5~1cmほど低くなるように、土の高さを調整します。
  2. 水を与えて、用土を湿らせます。
  3. 3~4粒を点まきして、5mmほど覆土します。
  4. そっと水を与えます。ポットの底から水が出るくらいが目安です。
  5. 発芽適温が保てる雨の当たらない場所に移動して、土の表面が乾かないように管理します。
  6. 子葉が開いたら、数回に分けて間引いていき、最終的には1つのポットで1株を育てるようにします。
  7. ポットの底に根が回ってきたら、定植したい場所へ植えつけます。根鉢をくずさないように丁寧に行います。

苗からの育て方

苗の植えつけ
適期:7~9月
鉢植えの場合
用土 水はけのよい土。
市販の草花向け培養土か、赤玉土7:腐葉土3の配合土など。
元肥 緩効性化成肥料
  1. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  2. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  3. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  4. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  5. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所 日当たりがよい場所
土壌 水はけがよい土
元肥 緩効性化成肥料
株間 50~60cm
  1. 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
  2. 植え穴をあけて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  3. 深植えしないように注意して、軽く押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.ホウキギの手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

鉢土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。多湿を嫌うので、水の与えすぎには注意します。

▼水やりの方法と注意点は?

鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。

追肥

鉢植えなら、6~8月に月1回置き肥をするか、または月3回くらい液肥を施します。チッソ分の多い肥料は控えます。

庭植えなら、追肥はほとんど必要ありません。

仕立て

とくに手入れをしなくても、自然にまとまった姿になります。生育旺盛なので、適宜刈り込んで好きな形に仕立てることができます。

種の採取

株が茶色くなって枯れてきたら切り取って、紙の上で軽くたたいて種を落とします。採取した種は、紙袋などに入れて冷暗所で保管します。

5.ホウキギに発生する病気と害虫

病気と害虫
灰色かび病(ボトリチス病)

▼症状

花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。

▼発生時期

真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)

▼予防と対策

  • 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
  • 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
  • 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
  • いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。

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