ムラサキゴテンの育て方

1.ムラサキゴテンの基本情報

ムラサキゴテンについて見ていきましょう!

ムラサキゴテンの基本情報
■科 目:ツユクサ科
■分 類:半耐寒性多年草
■原 産:メキシコ
■学 名:Tradescantia pallida ‘Purpurea’
■別 名:セトクレアセア、パープルハート
■花言葉:優しい愛情、誠実、変わらぬ愛
■開花期:4~10月

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2.ムラサキゴテンの特徴

ムラサキゴテンは、メキシコに分布するツユクサ科ムラサキツユクサ属の多年草です。全体が濃紫に染まる草姿が美しいリーフプランツとして鑑賞されます。

長楕円形をした葉は、厚みがあり多肉質で乾燥に強く、表面は細かい軟毛で覆われており、光の当たる角度によって葉色が変化して見えます。

花期には、径2cmほどのピンク色の花を咲かせます。朝に咲いて、その日の昼にはしぼんでしまう一日花ですが、最盛期には次々と毎日のように咲きます。

育て方のポイント
  • 一年を通して日当たりのよい場所で育てる。強い日射しに当てるほど、葉の紫色が鮮やかになる。
  • 冬は、暖地なら戸外で越冬できるが、寒冷地なら鉢に植えて日当たりのよい室内の窓辺で管理する。
  • 根腐れを起こしやすいので、水のやり過ぎには注意する。
  • 肥料が多すぎると徒長して、葉の色も鈍くなるので控えめにする。

3.ムラサキゴテンの育て方

育て方

苗からの育て方

苗の植えつけ
適期:5~9月
鉢植えの場合
場所 日当たりのよい場所
用土 赤玉土(小)6、腐葉土3、軽石(小)2の配合土など
  1. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  2. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  3. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  4. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  5. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所 日当たりのよい場所
土壌 水はけのよい土
  1. 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 深植えしないように注意して、軽く押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.ムラサキゴテンの手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。ただし、根腐れを起こしやすいので、水のやり過ぎには注意します。冬はやや乾かし気味に、土の表面が乾いてから2~3日後に水を与えます。

▼水やりの方法と注意点は?

鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。

追肥

春と秋にそれぞれ1回、緩効性化成肥料を施します。肥料が多すぎると徒長して、葉の色も鈍くなるので控えめにします。

摘心

春~秋の生長期に、新芽が伸びた段階で摘心を行うと、さらにわき芽が伸びてボリュームのある株になります。

切り戻し

生育旺盛で、放っておくと茎がどんどん伸びて草姿が乱れるので、株元から1~2節を残してばっさりと切り戻せば、わき芽が伸びて草姿が整います。

植え替え
適期:5~9月

庭植えならとくに必要ありませんが、鉢植えなら1~2年に1回は植え替えます。ひと回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

株分け
適期:5~9月

株が鉢いっぱいに大きく育っていたら、掘り上げて古い土を1/3ほど落とし、清潔なハサミなどで2~3株に切り分けます。株分け後は、明るい日陰に1~2週間ほど置いてから、日当たりのよい場所へ移動します。

挿し芽
適期:5~9月
  1. 茎の先端を7~8cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に30分~1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた挿し芽用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、1~2週間くらい経って発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して育てます。

5.ムラサキゴテンに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

うどんこ病

▼症状

新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。

菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。

▼発生時期

高温多湿の5~7月、9~11月

▼予防と対策

  • 普段から通気性をよくしておきましょう。
  • チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
  • 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。
灰色かび病(ボトリチス病)

▼症状

花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。

▼発生時期

真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)

▼予防と対策

  • 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
  • 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
  • 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
  • いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。

主な害虫

カイガラムシ

▼症状

貝殻に似た厚い殻をかぶった黒い虫が、葉茎に寄生して栄養を吸い取ります。

植物の生育が妨げられ、ひどいと枯死します。また、すす病を誘発します。

▼発生時期

一年中

▼予防と対策

  • 常に風通しをよくしておきます。
  • 成虫は厚い殻をかぶっており抵抗力が強いので、前もって薬剤で予防しておきます。
  • 幼虫の段階で見つけたら薬剤を散布します。
  • 成虫を見つけたらブラシなどで落として捕殺します。
ハダニ

▼症状

肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。

▼発生時期

3~10月(夏の高温乾燥時に多発)

▼予防と対策

  • 早期発見、早期防除が大切です。
  • 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
  • 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
  • 専用の殺ダニ剤で対処します。

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