1.クンシランの基本情報
クンシランについて見ていきましょう!
■分 類:半耐寒性多年草
■原 産:南アフリカ
■学 名:Clivia
■別 名:ウケザキクンシラン、クリビア、ハナラン
■花言葉:貴い
■開花期:3~4月
クンシランの鉢植えや苗が買えるお店
クンシランを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
花屋やネットで購入できます。
2.クンシランの特徴
クンシランは南アフリカ原産で、ヒガンバナ科の多年草です。強い日差しに当てると葉焼けを起こし、寒さにも弱いため、管理しやすい鉢植えで育てるのがよいでしょう。
一般にクンシランと呼ばれているのは、ミニアタ種であるウケザキクンシランです。太い花茎の先に、多数の花が集まって半球状に咲きます。
- 春~秋は、風通しのよい半日陰で育てる。
- 冬は霜に当てないように、暖房していない室内に取り込む。
- 鉢を回転させて光を平均的に当てると葉がきれいに揃う。
- 株分けで増やすことができる。
3.クンシランの育て方
苗からの育て方
春から出回るポット苗や開花鉢を購入して育てます。
▼良いもの
・株元がしっかりしているもの
・葉数が多く、両側へバランスよく伸びているもの
・葉色がよく、黄変していないもの
・花やつぼみが沢山ついているもの
鉢 | 5号鉢に1株が目安 |
用土 | 水はけのよい土。赤玉土(中)6、腐葉土3、軽石(中)1の配合土など。 |
元肥 | リン酸分の多い緩効性化成肥料 |
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
- 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
- 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
- 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
- 株元にたっぷりと水を与えます。
4.クンシランの手入れ
強い直射日光に当てると葉焼けを起こすので、風通しのよい半日陰で、雨は避けます。
秋~冬にかけて5~10℃の低温に60日間ほど当てないと、花芽が伸びなくなってしまうので、霜が降りる直前までは戸外で育てます。
冬は霜に当てないように、暖房していない室内に取り込みます。レースのカーテンで遮光して、水やりは控えめにします。
▼水やりのタイミングは?
土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。過湿に弱いので水のやり過ぎには注意します。
▼水やりの方法と注意点は?
花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
真夏を除いた春から秋の生育期に、10日に1回の割合で液肥を施します。
葉が光の方向に伸びるので、一定方向から光が当たる場所で育てていると不格好な草姿になってしまいます。そこで、1~2週間ごとに鉢を180度ずつ回転させて、光を平均的に当てると葉がバランス良くきれいに揃います。
種を採らない場合は、花後すぐに花茎をつけ根から切り取ります。
しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。
また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。
根詰まりしていたり、根がいっぱいになって鉢の上部から出てきたら、花後に植え替えます。
- 1週間前から水やりを控えて鉢を乾燥させます。
- 株を鉢から抜いて、古い土を落として、黒ずんで傷んだ根を取り除きます。白い元気な根は傷つけません。
- ひと回り大きな鉢に、新しい用土で株を植え替えます。
子株の葉が5~6枚あって、根が十分に出ていれば株分けします。
- 1週間前から水やりを控えて鉢を乾燥させます。
- 株を鉢から抜いて、根土を落として水洗いします。
- なるべく根をたくさんつけて、清潔なナイフで親株と子株を切り分けます。
- 切り口に殺菌剤を塗ります。
- 親株と子株をそれぞれ別の鉢に植えて、2週間ほどは日陰で管理します。
5.クンシランに発生する病気と害虫
主な病気
▼症状
茎の途中に白い網状のかびが広がって、茎が褐色~黒色に変色して枯死します。
▼発生時期
6~8月
▼予防と対策
菌核は次の植物に伝染していくので、被害にあったすべての株を抜き取り、焼却処分します。また、菌核は土の中で生き続けているので、株の処分後ただちに土壌殺菌剤を散布します。
▼症状
細菌によって、栄養や水分の上昇がストップします。地上部はしおれて、地際は腐って溶けたようになります。腐敗した部分から強い悪臭を放つのが特徴です。一、二年草は生育しきらないうちに発生します。
▼発生時期
高温多湿の5~9月
▼予防と対策
- 発病後の回復は極めて困難なので、常に予防を心がけましょう。
- 細菌は植物の傷口から侵入するので、植物に傷がつかないようにします。株を丁寧に扱い、害虫による食害を防ぎましょう。
- 水はけをよくして、水を与えすぎないようにします。
- 発病した株は根ごと引き抜いて処分します。
- 細菌は土中で生き続けるので、殺菌剤を散布します。
主な害虫
▼症状
肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。
▼発生時期
3~10月(夏の高温乾燥時に多発)
▼予防と対策
- 早期発見、早期防除が大切です。
- 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
- 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
- 専用の殺ダニ剤で対処します。
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