クロッカス(ハナサフラン)の育て方

1.クロッカスの基本情報

クロッカスについて見ていきましょう!

クロッカスの基本情報
■科 目:アヤメ科
■分 類:耐寒性秋植え球根
■原 産:地中海沿岸
■学 名:Crocus
■別 名:ハナサフラン
■花言葉:青春の喜び、信頼
■開花期:2~4月(春咲き種)

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2.クロッカスの特徴

ヨーロッパでは春を告げる花として愛されているクロッカスは、育てやすい球根花です。春咲き種と秋咲き種がありますが、主に流通しているのは春咲き種になります。

1株から3~4個の花を咲かせますが、花は日中だけ開いて、夜には閉じてしまいます。

ギリシャ神話では、美しいニンフに恋して死んだ青年クロークスの生まれ変わりの花とされています。

育て方のポイント
  • 寒さに当てないと花が咲かないので、冬も戸外の日当たりの良い場所で育てる。
  • 球根の養分で咲くので水栽培も可能。
  • 花後にはお礼肥を施してから球根を掘り上げて、分球したあとに秋まで保管する。
  • 花壇植えなら2~3年は植えっぱなしでも大丈夫。

3.クロッカスの育て方

育て方
栽培環境

日当たりのよい場所を好みます。日当たりが悪いと花つきが悪くなります。

土の過湿を嫌うので水はけのよい土で育てましょう。

寒さに当てないと花が咲かないので、冬も戸外の日当たりの良い場所で育てましょう。

球根からの育て方

球根の植え付け
適期:9~10月

▼球根の選び方

良い球根:
よく引き締まっていて、外皮が破れていないもの。

悪い球根:
傷、シミ、カビ、病斑のあるもの。

鉢植えの場合
育てる場所: 日当たりのよい場所
鉢の大きさ: 5号鉢に5~6球を目安
用   土: 赤玉土(小)6、腐葉土3、バーミキュライト1
肥   料: 元肥として緩効性化成肥料
植える深さ: 球根の頭が隠れる程度に浅植え
  1. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを穴の上に置きます。
  2. 鉢底石を均等に薄く敷きます。
  3. 用土を入れます。土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
  4. 球根を植えて覆土します。
  5. 鉢底から水が出るまでたっぷりと水を与えます。
地植えの場合
育てる場所: 日当たりがよく、水はけのよい場所
植える間隔: 5~10cm
植える深さ: 5~8cm
  1. 球根を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
  2. 土に穴を掘って球根を植え付けます。
  3. たっぷりと水を与えます。
水栽培(水耕栽培)の場合
  1. 8cm以上の大きな球根を選びます。
  2. 水栽培の容器を用意して、球根の底に直接水が触れない程度にギリギリまで水を入れます。球根が水に触れている状態だと球根が腐ってしまいます。
  3. 寒さに当てないと花が咲かない性質なので、1月中旬ごろまでは戸外の日当たりのよい場所に置きます。
  4. 発根後は根だけが水に浸かるように水位を調整します。
  5. 週に1回、新しい水と取り替えます。
  6. 花が終わった球根はエネルギーを使い果たしているので、来年も花を咲かせるには、土に植えつけて養分を蓄えさせることが必要になります。

4.クロッカスの手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。過湿には注意しますが、土が乾きすぎると花つきが悪くなってしまいます。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

肥料

元肥として、緩効性化成肥料を施します。

追肥として、発芽後は月1~2回、チッソ分が控えめの薄い液肥を施します。

花がら摘み

開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。

花後の管理(掘り上げ、分球)
適期:5~6月

花壇植えなら2~3年は植えっぱなしでも問題ありませんが、毎年掘り上げて植え替えた方が花つきはよくなります。

  1. 花が咲き終わったら、花茎をつけ根から切り取ります。茎葉は残しておきましょう。
  2. 1~2cm増し土します。
  3. カリ分が多めのお礼肥を施して、球根を太らせます。
  4. 初夏に葉が黄変したら掘り上げて、日陰で乾燥させます。
  5. 古い葉と母球を取り除いて、新球を残します。
  6. 新球を涼しい場所で秋まで保存します。

5.クロッカスに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

軟腐病

▼症状

細菌によって、栄養や水分の上昇がストップします。地上部はしおれて、地際は腐って溶けたようになります。腐敗した部分から強い悪臭を放つのが特徴です。一、二年草は生育しきらないうちに発生します。

▼発生時期

高温多湿の5~9月

▼予防と対策

  • 発病後の回復は極めて困難なので、常に予防を心がけましょう。
  • 細菌は植物の傷口から侵入するので、植物に傷がつかないようにします。株を丁寧に扱い、害虫による食害を防ぎましょう。
  • 水はけをよくして、水を与えすぎないようにします。
  • 発病した株は根ごと引き抜いて処分します。
  • 細菌は土中で生き続けるので、殺菌剤を散布します。

主な害虫

モグラやネズミの食害に注意します。

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