モナルダ(ベルガモット)の育て方

1.モナルダの基本情報

モナルダについて見ていきましょう!

モナルダの基本情報
■科 目:シソ科
■分 類:耐寒性多年草/宿根草
■原 産:北アメリカ
■学 名:Monarda
■別 名:ベルガモット、タイマツバナ
■花言葉:感受性豊か、野性的
■開花期:6~9月

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2.モナルダの特徴

モナルダは花や葉に芳香があり、イタリア産のベルガモット・オレンジに似た柑橘系の香りをもつことから、ベルガモットという名のハーブとして知られています。

葉は風邪や気管支炎にも効くハーブティーとして有名で、花はドライフラワーとしても使われます。

育て方のポイント
  • 日当たりがよく水はけがよい場所を好む。
  • 過湿に弱いので、夏は風通しよく管理する。
  • 葉が混み合ってきたら刈り込んで、株が蒸れないようにする。
  • うどんこ病や灰色かび病に注意する。
  • 3年目以降になると株が老化してくるので、花後に株分けする。
  • 挿し芽で増やすことができる。

3.モナルダの育て方

育て方
栽培場所

日当たりがよく水はけがよい場所を好みます。

暑さ・寒さに強いので育てやすいですが、過湿に弱いので、夏は風通しよく西日は避けて十分に水を与えましょう。

種から苗を育てる

種まき
適  期:4~5月、9~10月
発芽適温:15~20℃
発芽日数:1週間ほど
(1) 育苗箱に種をまく
  1. 種まき用土を、育苗箱の縁から2cmほどの深さまで入れます。
  2. 種が重ならないように、ばらまきます。
  3. 2~3mmくらいに薄く覆土して、指で上から軽く押さえて種と土を密着させます。
(2) まき床を管理する

タネをまいた容器(まき床)は雨の当たらない、風通しのよい明るい日陰で管理します。発芽までは土を乾かさないようにします。

  • 透明なビニールなどをかぶせて湿気を保つようにします。
  • トレーや受け皿に水をため、鉢底穴から底面給水させます。
  • 上から霧吹きでたっぷりと水をやります。
(3) 発芽

発芽したら、すぐに覆いを外して徐々に日当たりのよい場所に移します。土の表面が乾いたら静かに水を与えます。

(4) 間引き

子葉が開いたら、密になっている部分の苗を引き抜いて、株間をあけるようにします。ピンセットで株元をそっと掴んで引き抜いてやります。

最初の間引きは、子葉が開いた直後に行います。一度だけで終わりではなく、隣の葉同士が触れ合ってきたら間引くようにして、最終的に必要な数だけの苗を残しましょう。

(5) 移植
  1. 本葉が3~4枚になったら、苗を丁寧に掘り上げ、培養土の入ったポットや小さい鉢などに移します。
  2. 鉢に鉢底網と培養土をいれ、植え穴をあけます。
  3. 植え穴に苗を植え付けて、株元を軽く押さえて安定させます。
  4. 水やりは、鉢底から水がしみ出すまで与えます。
  5. 2~3日は直射日光や風の当たらない半日陰で、乾燥に注意しながら管理します。
  6. しおれていた苗がしっかりと立ち上がったら根付いた証拠です。これを合図に、日当たりと風通しのよい場所に移します。
(6) 追肥

移植して1週間ほど経ったら、1000~2000倍に薄めた液肥を週1回ほど与えます。

苗からの育て方

苗の植えつけ
適期:4~5月、9~10月
鉢植えの場合
用土:赤玉土(中)6、腐葉土4
肥料:元肥として緩効性化成肥料
  1. 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  3. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、苗を鉢の中心に置いてみます。
  5. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  6. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所:日当たりがよく、風通しのよい場所(西日は避ける)
用土:水はけがよく、やや湿り気のある土
株間:40~50cm
  1. 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 花壇の土の表面よりも「同程度~やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.モナルダの手入れ

水やり
肥料

元肥として、緩効性化成肥料を施します。

追肥として、10月と3月に元肥と同じ肥料をやや多めに、開花中は月1~2回薄い液肥を施します。

水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

「土の表面が乾いたら、たっぷりと」を目安にします。

夏は水切れにならないようにしますが、蒸れにも弱いので過湿にならないように注意しましょう。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

花がら摘み

開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。

切り戻し

梅雨から夏にかけて、うどんこ病や灰色かび病が発生しやすいので、葉が混み合ってきたら刈り込んで、株が蒸れないようにします。

花後に株を1/4ほど残して切り戻すと、新芽が下から伸びてきます。

挿し芽
適期:5~6月、9~10月
  1. わき芽のついた茎を7~10cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた挿し芽用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、2~3週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
  10. 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。
掘り上げ、株分け
適期:10~11月

3年目以降になると株が老化して花つきが悪くなってくるので、花後に株分けします。

  1. 秋なったら株を掘り上げます。
  2. 傷んだ長い根を切り落として、3芽を1株にして株分けします。
  3. 4号鉢に鉢上げします。
  4. 4月下旬~5月に霜の心配がなくなったら定植します。

5.モナルダに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

うどんこ病

▼症状

新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。

菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。

▼発生時期

高温多湿の5~7月、9~11月

▼予防と対策

  • 普段から通気性をよくしておきましょう。
  • チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
  • 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。
灰色かび病(ボトリチス病)

▼症状

花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。

▼発生時期

真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)

▼予防と対策

  • 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
  • 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
  • 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
  • いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
ヨトウムシ

▼症状

チョウやガの幼虫です。夜行性なので、昼間は土中などに潜み、夜間になると出てきて葉や花芽を食害します。

▼発生時期

3~6月、8~10月

▼予防と対策

  • 成虫やサナギには薬剤の効果がうすくなるので、幼虫のうちに早期対策をします。
  • 産卵のかたまりを見つけたら、孵化する前に除去します。
  • 夜間に植物をチェックして、幼虫を見つけたら捕殺します。
  • 成虫のチョウやガが飛んできて卵を産み付けるため、害虫忌避剤を散布します。

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