1.ケイトウの基本情報
ケイトウについて見ていきましょう!
■分 類:熱帯アジア、インド
■原 産:非耐寒性春まき一年草
■学 名:Celosia argentea
■別 名:セロシア、カラアイ、ケイカンカ
■花言葉:おしゃれ、気取り屋
■開花期:6~10月
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2.ケイトウの特徴
ケイトウはその名の通り、形が鶏の頭に似ているので「鶏頭(ケイトウ)」といいます。熱帯アジア原産で、日本の高温多湿の夏によく対応するので、育てやすく人気があります。
色づいて花のように見える部分は、茎が変形した花序(かじょ)で、実際の花は小さくて目立ちません。モコモコしたベルベットのような質感をもち、初夏から秋まで長期間咲きます。
- 日当たりと風通しがよく、水はけのよい場所を好む。
- 発芽適温は20~25℃と高めなので、4~6月に種をまく。
- 直根性で移植を嫌うため、幼苗のうちに植えつける。
- 生育が悪いときのみ、少量の化成肥料を与える。
- 高性種の場合は支柱を立てて倒れるのを防ぐ。
3.ケイトウの育て方

種から苗を育てる
発芽適温:20~25℃
- 種まき用土を、育苗箱の縁から2cmほどの深さまで入れます。
- 種が重ならないように、ばらまきます。
- 3~5mmくらい覆土して、指で上から軽く押さえて種と土を密着させます。
タネをまいた容器(まき床)は雨の当たらない、風通しのよい明るい日陰で管理します。発芽までは土を乾かさないようにします。
- 嫌光性種子なので新聞紙などをかぶせて湿気を保つようにします。
- トレーや受け皿に水をため、鉢底穴から底面給水させます。
- 上から霧吹きでたっぷりと水をやります。
発芽したら、すぐに覆いを外して徐々に日当たりのよい場所に移します。土の表面が乾いたら静かに水を与えます。
子葉が開いたら、密になっている部分の苗を引き抜いて、株間をあけるようにします。ピンセットで株元をそっと掴んで引き抜いてやります。
最初の間引きは、子葉が開いた直後に行います。一度だけで終わりではなく、隣の葉同士が触れ合ってきたら間引くようにして、最終的に必要な数だけの苗を残しましょう。
- 本葉が1~2枚になったら、苗を丁寧に掘り上げ、培養土の入った3号ポットに移します。
- 水やりは、鉢底から水がしみ出すまで与えます。
- 2~3日は直射日光や風の当たらない半日陰で、乾燥に注意しながら管理します。
- 本葉が5~6枚になったら、定植したい場所に植えつけます。
ケイトウは直根性で移植を嫌うため、ポットで苗を育てたら幼苗のうちに植えつけましょう。気温が高くなる初夏なら直まきしても大丈夫です。
用土例:赤玉土(小)6、腐葉土3、バーミキュライト1
- 育苗用土をポットに入れます。ポットの縁より0.5~1cmほど低くなるように、土の高さを調整します。
- 水を与えて、用土を湿らせます。
- 用土に種をまきます。5~6粒を点まきして5mmほど覆土します。
- そっと水を与えます。ポリポットの底から水が出るくらいが目安です。
- 発芽適温が保てる雨の当たらない場所に移動して、土の表面が乾かないように管理します。
- 数回に分けて間引いていき、最終的には1つのポリポットで1株を育てるようにします。
- 本葉が5~6枚になったら、定植したい場所へ植え付けます。根鉢をくずさないように丁寧に行います。
苗からの育て方
初夏からポット苗や鉢花が出回りますので、購入して育てると簡単です。
■良い苗
・株がしっかりと締まっているもの。
・葉数が多く、葉色が濃いもの。
■悪い苗
・茎が弱々しく伸びて全体的にバランスが悪いもの。
・下葉が枯れていたり、変色しているもの。
用土:赤玉土(小)6、腐葉土3、バーミキュライト1
肥料:元肥として緩効性化成肥料
- 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
- 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
- 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
- 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
株間:小型種20cm、大型種50cmを目安
- 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
- ケイトウは直根性で根を深く張るので、土は深めに耕しておきます。
- 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
- 花壇の土の表面よりも「高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
- 株元にたっぷりと水を与えます。
4.ケイトウの手入れ

日当たりと風通しがよく、水はけのよい場所を好みます。
過湿に弱いので、梅雨の長雨は避けましょう。
生育が悪いときのみ、少量の化成肥料を与えます。
チッソ分が多いと葉ばかり茂ってしまうので、チッソ分の多い肥料は控えるとよいでしょう。
▼水やりのタイミングは?
「土の表面が乾いたら、たっぷりと」を目安にします。
夏は水切れにならないようにしますが、蒸れにも弱いので過湿にならないように注意しましょう。
▼水やりの方法と注意点は?
花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。
ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。
高性種の場合は支柱を立てて、倒れるのを防ぐとよいでしょう。
5.ケイトウに発生する病気と害虫

主な病気
▼症状
茎の地際部がくびれたようになり、倒れて枯死します。発芽直後、または幼苗の時期に発生しやすいです。
▼発生時期
4~10月
▼予防と対策
- 土壌伝染性の病気なので、新しい土か、消毒した清潔な土を使うようにしましょう。
- 侵された株は根から引き抜き、土を消毒します。
▼症状
花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。
▼発生時期
真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)
▼予防と対策
- 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
- 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
- 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
- いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
主な害虫
▼症状
緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。
▼発生時期
4~6月、9~10月がピーク
▼予防と対策
- 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
- 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
- アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
- 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
▼症状
チョウやガの幼虫です。夜行性なので、昼間は土中などに潜み、夜間になると出てきて葉や花芽を食害します。
▼発生時期
3~6月、8~10月
▼予防と対策
- 成虫やサナギには薬剤の効果がうすくなるので、幼虫のうちに早期対策をします。
- 産卵のかたまりを見つけたら、孵化する前に除去します。
- 夜間に植物をチェックして、幼虫を見つけたら捕殺します。
- 成虫のチョウやガが飛んできて卵を産み付けるため、害虫忌避剤を散布します。
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