シランの育て方

1.シランの基本情報

シランについて見ていきましょう!

シランの基本情報
■科 目:ラン科
■分 類:耐寒性多年草
■原 産:日本、台湾、中国
■学 名:Bletilla
■別 名:ベニラン、ハッキュウ、コウラン、シケイ
■花言葉:お互い忘れないように
■開花期:4~5月

シランの鉢植えや苗が買えるお店

シランを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
花屋やネットで購入できます。

2.シランの特徴

シランは漢字で「紫蘭」と書き、日本や中国などに自生するラン科の多年草です。ランの仲間のうちでは特に丈夫で育てやすく、日なた~半日陰で植えっぱなしでもよく育ちます。

草丈は30~50cmほどで、赤、ピンク、白、紫などの花色があり、細くて硬い茎の先に数輪の花を咲かせます。

育て方のポイント
  • 日なたでも育つが、西日が当たらない半日陰が理想。
  • 腐植質の多いやや湿り気のある場所を好む。
  • 日照不足になると草丈が徒長したり、花つきが悪くなる。
  • 株分けで増やすことができる。

3.シランの育て方

育て方

苗からの育て方

苗の植えつけ
適期:3月、10~11月
鉢植えの場合
用土 市販の山野草用培養土か、赤玉土1:鹿沼土1:軽石1の配合土など
元肥 緩効性化成肥料
  1. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  2. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  3. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  4. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  5. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
土壌 水もち、水はけのよい肥沃な土壌を好む
元肥 緩効性化成肥料
株間 20cmほど
  1. 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 深植えしないように注意して、やや浅めに植えます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.シランの手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

適度に湿り気のある環境を好みます。鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。冬の休眠期は、水やりを控えて乾かし気味に管理します。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

追肥

植えつけのときに元肥を与えておけば、追肥は特に必要ありません。

植え替え
適期:3月、10~11月

鉢植えなら毎年1回、地植えなら2~3年に1回を目安に植え替えます。

株分け
適期:3月、10~11月

球根のような疑球茎が増えるので、植え替え時に掘り上げて、球茎を2~3個に切り分けて植えつけます。

冬の管理

鉢植えは、霜を避けて軒下などで管理します。

庭植えは、敷きワラなどを敷いて凍結対策をすると安心です。

5.シランに発生する病気と害虫

病気と害虫
アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
ハダニ

▼症状

肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。

▼発生時期

3~10月(夏の高温乾燥時に多発)

▼予防と対策

  • 早期発見、早期防除が大切です。
  • 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
  • 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
  • 専用の殺ダニ剤で対処します。

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