1.ラムズイヤーの基本情報
ラムズイヤーについて見ていきましょう!
■分 類:耐寒性多年草
■原 産:コーカサス~イラン
■学 名:Stachys byzantina
■別 名:ワタチョロギ、スタキス
■花言葉:あなたに従う、誘惑
■開花期:7~9月
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2.ラムズイヤーの特徴
ラムズイヤーは、コーカサス~イラクにかけて分布する、シソ科の多年草です。ユニークな草姿をしており、直立した茎の上部に、紫色の小さな花を穂状に咲かせます。
葉や茎が、銀白色のワタのような毛で覆われており、その柔らかな手触りと見た目は「lamb’s ear(羊の耳)」という名前にぴったりです。
葉には香りがあり、ハーブやドライフラワーとしても利用されます。
- 日当たりがよく水はけのよい場所で育てる。
- 酸性土壌を嫌うので、庭植えなら苦土石灰などで土壌を中和しておく。
- 高温多湿に弱いので、夏は雨を避けて風通しのよい半日陰で管理する。
- 寒さに強いので、寒冷地以外ならそのまま戸外で越冬できる。
3.ラムズイヤーの育て方
種からの育て方
適 期:4月、9月
発芽温度:15~20℃
- 種まき用土を、容器の縁から2cmほどの深さまで入れます。
- 種が重ならないようにまきます。好光性種子なので、ごく薄く覆土して、指で上から軽く押さえて種と土を密着させます。
雨の当たらない、風通しのよい明るい日陰で管理します。発芽までは土を乾かさないようにします。
- 透明なビニールなどをかぶせて湿気を保つ。
- トレーや受け皿に水をためて底面給水させる。
- 上から霧吹きでたっぷりと水をやる。
発芽したら、すぐに覆いを外して徐々に日当たりのよい場所に移します。土の表面が乾いたら静かに水を与えます。
子葉が開いたら、密になっている部分の苗を引き抜いて、株間をあけるようにします。
一度だけで終わりではなく、隣の葉同士が触れ合ってきたら間引くようにして、最終的に必要な数だけの苗を残しましょう。
- 本葉が3~4枚になったら、苗を丁寧に掘り上げ、培養土の入った3号ポットに移します。
- 水やりは、鉢底から水がしみ出すまで与えます。
- 2~3日は直射日光や風の当たらない半日陰で、乾燥に注意しながら管理します。
- ポットの底に根が回ったら、根鉢をくずさないように定植します。
- 育苗用土をポットに入れます。ポットの縁より0.5~1cmほど低くなるように、土の高さを調整します。
- 水を与えて湿らせた用土に種をまいて、ごく薄く覆土します。
- そっと水を与えます。ポリポットの底から水が出るくらいが目安です。
- 発芽適温が保てる雨の当たらない場所に移動して、土の表面が乾かないように管理します。
- 数回に分けて間引いていき、最終的には1つのポットで1株を育てるようにします。
- ポットの底に根が回ったら、根鉢をくずさないように定植します。
苗からの育て方
用土 | 市販の草花用培養土か、 赤玉土(小)6:腐葉土3:軽石1の配合土など |
元肥 | 緩効性化成肥料 |
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
- 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
- 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
- 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
場所 | 風通しのよい明るい半日陰(夏の西日は避ける) |
土壌 | 水はけのよい土を好む。酸性土壌を嫌う。 |
元肥 | 緩効性化成肥料 |
- 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
- 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
- 土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
- 株元にたっぷりと水を与えます。
4.ラムズイヤーの手入れ
▼水やりのタイミングは?
土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。過湿に弱いので、水のやり過ぎには注意します。冬は水やりの回数を控えめにして、やや乾燥気味に管理します。
▼水やりの方法と注意点は?
花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。
ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。
肥料はさほど必要ありません。庭植えなら、追肥は不要です。鉢植えなら、春に月1~2回、液肥を施します。
花が終わったら、花茎をつけ根から切り取って、風通しをよくしておきます。
ドライフラワーにする場合は、開花前~開花直後を目安として少し早めに収穫すると、花が落ちづらくなります。
庭植えなら3~4年に1回、鉢植えなら毎年1回、株分けを兼ねて植え替えます。株分けは、地下茎が分かれるところで、1株に1~3芽をつけて切り分けます。
5.ラムズイヤーに発生する病気と害虫
主な病気
▼症状
新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。
菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。
▼発生時期
高温多湿の5~7月、9~11月
▼予防と対策
- 普段から通気性をよくしておきましょう。
- チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
- 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。
主な害虫
▼症状
緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。
▼発生時期
4~6月、9~10月がピーク
▼予防と対策
- 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
- 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
- アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
- 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
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