クリスマスローズの育て方

1.クリスマスローズの基本情報

クリスマスローズについて見ていきましょう!

クリスマスローズの基本情報
■科 目:キンポウゲ科
■分 類:耐寒性多年草または宿根草
■原 産:地中海沿岸~中欧
■学 名:Helleborus × hybridus
■別 名:ヘレボルス
■花言葉:追憶
■開花期:12~4月(冬~早春の花)

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2.クリスマスローズの特徴

12月のクリスマスシーズンに咲く「冬咲き種」と、2~4月に咲く「春咲き種」があります。

欧州では、冬咲きのヘレボルス・ニゲルを「クリスマスローズ」、春咲きのヘレボルス・オリエンタリスを「レンテンローズ」と呼んで区別しますが、日本ではどちらもクリスマスローズとして呼ぶのが一般的です。

冬咲き(クリスマスローズ): 1茎に1個の白花を咲かせます。
春咲き(レンテンローズ): 多くの花を咲かせて花色も豊富です。

育て方のポイント
  • 西日を避けて、日当たりと風通しのよい場所で育てる。
  • 夏は明るい半日陰になる場所で管理する。
  • 新しい葉が伸びてきたら、昨年の古い葉は根元から切り取る。
  • 株分けで増やすことができる。

3.クリスマスローズの育て方

育て方

苗からの育て方

苗の選び方

秋頃からポット苗が出始めるので、花色や花形を確認して入手します。

■良い苗
・株元がしっかりしていて、葉や茎が間延びしていないもの。
・葉の色がよく、わき芽や葉数が多いもの。

■悪い苗
・葉色が黄ばんで、しおれているもの。
・茎が弱々しく伸びて、全体にバランスが悪いもの。

苗の植え付け方法
適期:9~10月(寒冷地では3~4月)
鉢植えの場合
場所: 冬は日当たりがよく、夏は半日陰になる所(西日は避ける)
 鉢: 今よりひと回り~ふた回り大きなもの
用土: 赤玉土小粒4・軽石小粒3・腐葉土3
肥料: 元肥として緩効性化成肥料
  1. 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り~ふた回り大きなものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  3. 鉢の深さの「6分の1」くらいまで、鉢底石を入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで、用土を入れます。
  5. しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめ取り除いておきます。
  6. 苗を鉢の中心に置いてみて、苗の根元が鉢縁よりも少し低くなるようにします。
  7. 隙間に土を足し入れ、棒などでつついて隙間を無くし、土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
  8. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所: 冬は日当たりがよく、夏は半日陰になる所(西日は避ける)
株間: 20~30cm
肥料: 元肥として緩効性化成肥料
  1. 球根を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。元肥として緩効性化成肥料を加えます。
  2. しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめカットしておきます。そのままつけておくと病害虫の原因になります。
  3. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  4. 花壇の土の表面よりも「同程度~やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
  5. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.クリスマスローズの手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

「土の表面が乾いたら、たっぷりと」を目安にします。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

肥料

元肥として、緩効性化成肥料を施します。

花後と9月頃に、緩効性の固形肥料を施します。

花がら摘み

開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。

古葉とり

秋~冬に新しい葉が伸びてきたら、昨年の古い葉は根元から切り取ります。

古い葉をそのまま残しておくと、新芽に日が当たらなかったり、花が目立たなくなります。

株分け
適期:9~10月

クリスマスローズは株分けで増やすことができます。

  1. 株が込み合ってきたら、土から掘り上げて古土を落とします。
  2. 1株あたり2~3芽をつけて、丁寧に手で分けます。
  3. あまり細かく分けずに、根鉢を軽くほぐすと自然と分かれやすい所があるので、それに逆らわずに分けましょう。
植え替え
適期:10月

鉢植え:2~3年に1回
地植え:4~5年に1回

ある程度大きくなるまでは株分けは必要ありません。そのままひと回り大きな鉢に植え替えます。

大きくなった株の場合は、株分けしてから植え替えます。

5.クリスマスローズに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

灰色かび病(ボトリチス病)

▼症状

花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。

▼発生時期

真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)

▼予防と対策

  • 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
  • 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
  • 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
  • いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
モザイク病(ウイルス病)

▼症状

葉に濃淡のモザイク状(まだら模様)の病斑が現れます。葉や茎が萎縮したり、変形、変色するなど、症状はさまざまです。

ウイルスは主にアブラムシによって運ばれて伝染します。

▼発生時期

3~10月

▼予防と対策

  • 一度感染すると治療できません。
  • 主にアブラムシによって伝染するので、アブラムシ対策を徹底します。
  • 他へ伝染しないように、発病した株は抜いて焼却処分します。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
ハモグリバエ(エカキムシ)

▼症状

葉に白い筋が現れます。葉の中に幼虫がもぐって、蛇行状に食害するため、葉の表面から見ると白い筋で絵を描いたように見えます。

▼発生時期

5~8月

▼予防と対策

白い筋をたどっていくと、先端に幼虫がいるので、その部分を押しつぶして退治します。葉ごと取り除いてもよいでしょう。また、蛹(さなぎ)になったものは、葉から落ちて土の上にたまることが多いので、土の上も確認するようにします。

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