リモニウム(スターチス)の育て方

1.リモニウム(スターチス)の基本情報

リモニウム(スターチス)について見ていきましょう!

リモニウム(スターチス)の基本情報
■科 目:イソマツ科イソマツ属
■分 類:秋まき一年草/半耐寒性多年草
■原 産:地中海沿岸
■学 名:Limonium
■別 名:ハナハマサジ
■花言葉:永遠に変わらず
■開花期:5~6月(一年草)/6~10月(多年草)

リモニウムの鉢植えや苗が買えるお店

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2.リモニウム(スターチス)の特徴

スターチスは、カサカサした乾いた質感をしています。乾燥させても色形に変化がないことから、ドライフラワーとしてよく利用されます。「永遠に変わらず」という花言葉も、この特徴を表しています。

スターチスという名前は、ギリシア語で「statizo(止める)」を語源とし、薬草として下痢止めに用いられてきたことに由来しているといわれます。

育て方のポイント
  • 秋に種をまいた場合、10~11月に植え付けて、寒さに当てる必要がある。
  • 雨に当たると病気になりやすいので、雨を避ける工夫をする。
  • 肥料は与えすぎないこと。
  • 種に綿毛がある場合は、砂と種を混ぜて手でよく揉んで、綿毛を取り除く。

3.リモニウム(スターチス)の育て方

育て方

種からの育て方

種まき

適期:9~10月/寒冷地では3~4月
発芽適温:15~20℃

(1) 育苗箱に種をまく
  1. 種まき用土を、育苗箱の縁から2cmほどの深さまで入れます。
  2. 種が重ならないようにまきます。
  3. 種まき用土を薄く覆土するか、川砂やバーミキュライトの細粒などを薄くかけます。
(2) まき床を管理する

タネをまいた容器(まき床)は雨の当たらない、風通しのよい明るい日陰で管理します。発芽までは土を乾かさないようにします。

  • 透明なビニールなどをかぶせて湿気を保つようにします。
  • トレーや受け皿に水をため、鉢底穴から底面給水させます。
  • 上から霧吹きでたっぷりと水をやります。
(3) 発芽

発芽したら、すぐに覆いを外して徐々に日当たりのよい場所に移します。土の表面が乾いたら静かに水を与えます。

(4) 間引き

子葉が開いたら、密になっている部分の苗を引き抜いて、株間をあけるようにします。ピンセットで株元をそっと掴んで引き抜いてやります。

最初の間引きは、子葉が開いた直後に行います。一度だけで終わりではなく、隣の葉同士が触れ合ってきたら間引くようにして、最終的に必要な数だけの苗を残しましょう。

■間引く苗
・育成不良だったり、逆に大きく育ちすぎているもの
・葉や茎が変形していたり、色が薄くなっているもの

■残す苗
・茎が太く、がっしりしているもの
・葉の色が綺麗でツヤがあるもの

(5) 移植
  1. 本葉が3~4枚になったら、苗を丁寧に掘り上げ、培養土の入ったポットや小さい鉢などに移します。
  2. 鉢に鉢底網と培養土をいれ、植え穴をあけます。
  3. 植え穴に苗を植え付けて、株元を軽く押さえて安定させます。
  4. 水やりは、鉢底から水がしみ出すまで与えます。
  5. 2~3日は直射日光や風の当たらない半日陰で、乾燥に注意しながら管理します。
  6. しおれていた苗がしっかりと立ち上がったら根付いた証拠です。これを合図に、日当たりと風通しのよい場所に移します。
(6) 追肥

移植して1週間ほど経ったら、1000~2000倍に薄めた液肥を週1回ほど与えます。

植え付け

適期:10~11月/寒冷地では3~4月

寒冷地以外では、10~11月に植え付ける

秋に種から育てた場合、苗が一定の大きさに育ったあとに、15℃以下に30日ほど置かないと花が咲きません。なので、寒冷地以外では、10~11月に植え付けて冬を越させます。

苗は3~6月に出回りますが、購入したらなるべく早く植え付けます。

鉢植えの場合
育てる場所:日当たりのよい、暖房の効いていない涼しい室内
鉢の大きさ:6号鉢に1株、60㎝プランターに3株が目安
用   土:赤玉土(小)5・腐葉土3・パーライト2
肥   料:元肥として緩効性化成肥料
  1. 苗を植え付ける鉢を用意します。鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きいものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを穴の上に置きます。
  3. 鉢の深さの「6分の1」くらいまで、鉢底石を入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで、用土を入れます。
  5. しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめカットしておきます。
  6. 苗を鉢の中心に置いてみて、苗の根元が鉢縁よりも少し低くなるようにします。
  7. 隙間に土を足し入れ、棒などでつついて隙間を無くし、土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
  8. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所:日当たりがよく、水はけがよい場所
株間:25~30cm
  1. 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
  2. しおれた部分や変色している葉は、植え付ける前にあらかじめカットしておきます。そのままつけておくと病害虫の原因になります。
  3. 植え穴をあけて根鉢を置いて、高さを調整します。花壇の土の表面の高さと「同程度~やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.スターチス(リモニウム)の手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

「土の表面がしっかりと乾いたら、たっぷりと」を目安にします。スターチスは乾燥地の植物で、雨に当たると病気になりやすいので、雨を避ける工夫をしましょう。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

肥料

肥料を与えすぎると、かえって軟弱になります。多肥は避けて、元肥として緩効性化成肥料を与えれば十分です。

追肥をする場合は、2ヶ月に1回、株元に少量の固形肥料を施します。

冬の管理

寒さに少し弱いので、鉢植えの場合は、日当たりのよい暖房の効いていない室内に移します。

地植えの場合は、敷きワラで覆うなどの霜よけをした方が安心です。

植え替え

▼一年草の場合
植え替えの必要はありません。

▼多年草の場合
ひと回り大きな鉢に植え替えます。
頻度:1~2年に1回
適期:2~3月

種の管理

自宅で採種したものは、綿毛に包まれており、その状態でまいても発芽しません。砂と種を混ぜて手でよく揉むと、綿毛が取り除けます。

植え付けるときは、ひと晩水に浸けてからにします。

5.スターチス(リモニウム)に発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

苗立枯病

▼症状

茎の地際部がくびれたようになり、倒れて枯死します。発芽直後、または幼苗の時期に発生しやすいです。

▼発生時期

4~10月

▼予防と対策

  • 土壌伝染性の病気なので、新しい土か、消毒した清潔な土を使うようにしましょう。
  • 侵された株は根から引き抜き、土を消毒します。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
ハダニ

▼症状

肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。

▼発生時期

3~10月(夏の高温乾燥時に多発)

▼予防と対策

  • 早期発見、早期防除が大切です。
  • 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
  • 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
  • 専用の殺ダニ剤で対処します。

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