1.リコリスの基本情報
リコリスについて見ていきましょう!
■分 類:耐寒性夏植え球根
■原 産:日本、中国
■学 名:Lycoris
■別 名:ヒガンバナ、マンジュシャゲ、ショウキラン、ナツズイセン
■花言葉:悲しき思い出
■開花期:8~10月(秋の花)
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2.リコリスの特徴
リコリスの別名は「ヒガンバナ」で、日本では秋のお彼岸ごろに花を咲かせ、「死人花」などとも呼ばれています。
縁起が悪いとされて日本では好んで栽培されることはありませんでしたが、欧米では、花の美しさや育てやすさから人気があり、品種改良も進んで「リコリス」というガーデニング植物としてカラフルな花色が揃うようになりました。
リコリスの名前は、ギリシャ神話の海の女神「リコリアス(Lycorias)」に由来しているといわれています。
日本でも自生しており、数年間は植えっぱなしでもよく咲いてくれるので、初心者でも育てやすい球根植物です。
「葉見ず花見ず」といわれ、花と葉が同時には存在しません。そのため、葉がない花だけの立ち姿が、リコリスならではの魅力といえます。
秋:花を咲かせる。
冬:花が終わると、葉が出てくる。
春:葉が枯れて、球根が休眠状態になる。
夏:花茎が伸びてくる。
↓
秋:また、花を咲かせる。
- 地植えなら、数年間は植えっぱなしで管理できる。
- 根が深く伸びるので、地植えの場合は深めに耕しておく。
- 肥料がなくても育てられる。
- 花が終わったら、花茎の先端にある花房の下で切り取る。
- 葉が枯れた休眠期にもカラカラにしないで、ときどき軽く水やりする。
- 分球する場合は、6~8月に掘り上げて行う。
- 球根を保存する場合は、湿潤貯蔵にする。
- ヒガンバナには毒性があるので、害虫の心配はほとんどない。
3.リコリスの育て方
球根からの育て方
▼球根の選び方
良い球根:
よく太って形のよいもの。ずっしりと重いもの。
悪い球根:
干からびて軽いもの。傷、シミ、カビ、病斑のあるもの。
鉢の大きさ: 6号鉢に4~5球が目安
用 土: 赤玉土(小)6、腐葉土3、バーミキュライト1
肥 料: 元肥として緩効性化成肥料
植える間隔: 3~10cm
植える深さ: 3~5cm
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを穴の上に置きます。
- 鉢底石を均等に薄く敷きます。
- 用土を入れます。土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
- 球根を植えて覆土します。
- 鉢底から水が出るまでたっぷりと水を与えます。
植える間隔: 5~20cm
植える深さ: 5~10cm
- あらかじめ、土づくりをしておきます。腐葉土や堆肥をすき込みます。
- 無肥料でもよく育ちますが、元肥として緩効性化成肥料を加えておけば生育が良くなります。
- 根が深く伸びるので、深めに耕しておきます。
- 球根を植え付けます。
- たっぷりと水を与えます。
4.リコリスの手入れ
▼水やりのタイミングは?
リコリスは多湿が苦手なので、「土の表面が完全に乾いたら、たっぷりと」を目安にします。葉が枯れた休眠期は、カラカラにしないで、ときどき軽く水やりします。
▼水やりの方法と注意点は?
花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。
ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。
植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を加えておけば、その後は基本的に施す必要はありません。
球根を太らせて翌年の花を咲きやすくしたい場合は、花が終わった後に、少量の化成肥料を施してもよいでしょう。
リコリスは、秋に花を咲かせたあと、急にしぼんでしまいます。咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。
花が終わったら、花茎の先端にある花房の下で切り取ります。光合成で球根を充実させるために、花茎は残しておきます。
また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。
球根が増えて込み合ってきた場合は、6~8月に掘り上げて植え直すとよいでしょう。
リコリスは根を深く張り、植替えを苦手とするので、始めから大きめの鉢に植えるとよいでしょう。大きい鉢なら2~3年に1回、小さい鉢なら毎年、根の大きさに合わせた鉢に植え替えます。
一度植え付けたら、数年間は植えっぱなしで構いません。球根は年々充実していき、3~4年目ぐらいが一番見応えがあります。
リコリスの球根が混み合って地表に露出するようになってきたら、6~8月に掘り上げて、分球してから植え直します。
- 掘り上げる1週間前から水やりを止めて、土を乾かし気味にします。
- 球根を土から掘り上げます。
- 古い茎や葉を取り除き、根を傷めないように土を落とします。
- 根をほぐして親球と子球を分けます。
リコリスの球根を保存する場合は、「湿潤貯蔵」にします。
- 球根についている、枯れた茎葉と根を切り取ります。
- 球根消毒剤があれば消毒します。
- 容器に湿らせたバーミキュライトを入れて、球根を埋めます。
- 暖房していない室内で保管します。
5.リコリスに発生する病気と害虫
ヒガンバナには毒性があり、古来よりネズミやモグラなどを避けるために植えられてきました。そのため、害虫の心配はほとんどありません。ただ稀に、ハダニや軟腐病に侵されることもあります。
主な病気
▼症状
細菌によって、栄養や水分の上昇がストップします。地上部はしおれて、地際は腐って溶けたようになります。腐敗した部分から強い悪臭を放つのが特徴です。一、二年草は生育しきらないうちに発生します。
▼発生時期
高温多湿の5~9月
▼予防と対策
- 発病後の回復は極めて困難なので、常に予防を心がけましょう。
- 細菌は植物の傷口から侵入するので、植物に傷がつかないようにします。株を丁寧に扱い、害虫による食害を防ぎましょう。
- 水はけをよくして、水を与えすぎないようにします。
- 発病した株は根ごと引き抜いて処分します。
- 細菌は土中で生き続けるので、殺菌剤を散布します。
主な害虫
▼症状
肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。
▼発生時期
3~10月(夏の高温乾燥時に多発)
▼予防と対策
- 早期発見、早期防除が大切です。
- 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
- 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
- 専用の殺ダニ剤で対処します。
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