オレガノの育て方

1.オレガノの基本情報

オレガノについて見ていきましょう!

オレガノの基本情報
■科 目:シソ科
■分 類:耐寒性多年草
■原 産:地中海沿岸~中央アジア
■学 名:Origanum vulgare
■別 名:ハナハッカ
■花言葉:輝き、財産、富、あなたの苦痛を除きます
■開花期:6~8月
■収穫期:4~10月(葉)、6~8月(花)

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2.オレガノの特徴

オレガノは、地中海沿岸から中央アジアにかけて分布するシソ科ハナハッカ属の多年草です。

美しい花を咲かせ、全草にミントに似た爽やかな芳香があることから「ハナハッカ」と呼ばれます。ただし、花のように見えるのは「苞」で、本当の花はあまり目立ちません。

乾燥させた葉はハーブとして料理によく使われ、花はドライフラワーやポプリとしても利用されます。

育て方のポイント
  • 日光を好むので日当たりのよい場所で育てる。
  • 一年を通して、やや乾燥気味に管理する。
  • 高温多湿に弱いので、夏は雨を避けて風通しのよい半日陰で管理する。
  • 寒さには強いので、寒冷地以外であれば特に防寒せずとも戸外で越冬できる。
  • 酸性土壌を嫌うので、庭植えの場合はあらかじめ苦土石灰を土に混ぜ込んでおく。

3.オレガノの育て方

育て方

種からの育て方

種まき
適  期:4~5月、9~10月
発芽温度:15~20℃
(1) 育苗箱に種をまく
  1. 種まき用土を、容器の縁から2cmほどの深さまで入れます。
  2. 種が重ならないようにまきます。好光性種子なので覆土はしないで、指で上から軽く押さえて種と土を密着させます。
(2) 乾燥させないように管理する

雨の当たらない、風通しのよい明るい日陰で管理します。発芽までは土を乾かさないようにします。

  • 透明なビニールなどをかぶせて湿気を保つ。
  • トレーや受け皿に水をためて底面給水させる。
  • 上から霧吹きでたっぷりと水をやる。
(3) 発芽

発芽したら、すぐに覆いを外して徐々に日当たりのよい場所に移します。土の表面が乾いたら静かに水を与えます。

(4) 間引き

子葉が開いたら、密になっている部分の苗を引き抜いて、株間をあけるようにします。

一度だけで終わりではなく、隣の葉同士が触れ合ってきたら間引くようにして、最終的に必要な数だけの苗を残しましょう。

(5) 移植
  1. 本葉が2~3枚になったら、苗を丁寧に掘り上げ、培養土の入った3号ポットに移します。
  2. 水やりは、鉢底から水がしみ出すまで与えます。
  3. 2~3日は直射日光や風の当たらない半日陰で、乾燥に注意しながら管理します。
  4. ポットの底に根が回ったら、根鉢をくずさないように定植します。

苗からの育て方

苗の植えつけ
適期:4~5月、9~10月
鉢植えの場合
用土 市販の草花用培養土に川砂かパーライトを1~2割ほど加えたものや、
赤玉土(小)6:腐葉土3:川砂またはパーライト1の配合土など
元肥 緩効性肥料
  1. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  2. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  3. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  4. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  5. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所 日当たりと風通しのよい場所(夏の西日は避ける)
土壌 水はけのよい土を好む。酸性土壌を嫌う。
元肥 緩効性肥料
株間 30~50cm
  1. 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性肥料を加えます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 深植えしないように注意して、軽く根元を押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.オレガノの手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

鉢土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。乾燥気味の環境を好むので、過湿には注意します。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

肥料

植えつけのときに元肥を混ぜ込んでおけば、それ以上はとくに必要ありません。生育に応じて追肥してもよいですが、控えめに施します。肥料が多いと芳香が薄れたり、徒長したり枯れてしまうこともあります。

切り戻し

高温多湿に弱いので、茎葉が込み合ってきたら刈り込んだり間引いたりして、風通しをよくしておきます。

冬になって葉が枯れたら、地際で切り戻しておきます。そのまま冬を越して春になれば再び芽吹いてきます。

植え替え
適期:4~5月、9~10月

鉢植えは1~2年を目安に、ひと回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。何年も同じ鉢で育てると、根詰まりして生育不良を起こしてしまいます。

株分け
適期:4~5月、9~10月

大きく育った株は掘り上げて、古い根や傷んだ根は取り除き、株を分けてから新しい用土で植えつけます。株分け直後は、根が落ち着くまで数日間は日陰で管理します。

挿し芽
適期:4~5月、9~10月
  1. 木質化していない若い茎の先端を7~8cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に30分~1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、2週間くらいして発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して育てます。

5.オレガノに発生する病気と害虫

病気と害虫
アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。

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