フリージアの育て方

1.フリージアの基本情報

フリージアについて見ていきましょう!

フリージアの基本情報
■科 目:アヤメ科
■分 類:半耐寒性秋植え球根
■原 産:南アフリカ
■学 名:Freesia
■別 名:アサギスイセン
■花言葉:あどけなさ(白)、無邪気(黄)、純潔(赤)
■開花期:3~5月

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2.フリージアの特徴

30~50cmほど伸びた花茎の上に、スイセンのような花を10個ほど並んで咲かせます。花色が豊富で、一重咲きだけでなく八重咲きの品種もあります。早春の芳香花で、とくに黄花系や白花系は甘い香りを漂わせます。

育て方のポイント
  • 植えつけは十分に気温が下がってから行う。
  • 鉢植えは必ず新しい土を使う。
  • 冬の寒さに当てないと花芽が形成されない。
  • 花後も球根を育てるために水やりは続ける。
  • 大きな花をつけるので、増し土と支柱立てをすると安心。
  • 夏の前に葉が黄変したら、掘り上げて分球する。

3.フリージアの育て方

育て方
栽培環境

日当たりがよく水はけがよい場所を好みます。

暖地では地植えも可能ですが、寒さにやや弱いので鉢植え栽培が一般的です。

ただし、暖かすぎる環境も好まないので、日中は18~20℃、夜間は10~12℃を目安に管理します。

球根からの育て方

鉢植えの場合
適期:9月下旬~11月
  • 植えつけは十分に気温が下がってから行いましょう。残暑が厳しい時期に植えつけると、葉が伸びすぎて花つきが悪くなってしまいます。
  • 必ず新しい土を使いましょう。古い土(特にアヤメ科を植えていた土)を使うと病気にかかりやすくなります。
  • 冬の寒さに当てないと花芽が形成されないので、寒冷地以外は11月上旬までは屋外で管理します。
育てる場所:暖房してない室内の窓辺か、霜が当たらない軒下など
鉢の大きさ:5号鉢に5球、6号鉢に7球を目安
用 土 例:赤玉土(小)6、腐葉土3、バーミキュライト1
元   肥:緩効性化成肥料
植える深さ:3cm
  1. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  2. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  3. 用土を入れて球根を植えます。
  4. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
  5. 鉢底から水が出るまでたっぷりと水を与えます。
  6. 植えつけ直後はなるべく涼しい半日陰で管理し、発芽したら日に当てます。
地植えの場合
適期:11月下旬~12月

早い時期に植えつけると伸びた茎葉を寒さで傷めてしまうので、11月下旬に植えつけて厳寒期を芽の状態で過ごさせれば比較的うまく冬越しできます。強い霜が降りる夜は霜よけをします。

育てる場所:日当たりと風通しのよい場所
元   肥:緩効性化成肥料
植える深さ:5cm
植える間隔:10cm
  1. 球根を植えつける2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
  2. 植え穴を掘って球根を植えつけ、たっぷりと水を与えます。

4.フリージアの手入れ

水やり
肥料

元肥として、緩効性化成肥料を施します。

追肥として、月2回ほど液肥を施します。

水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

新芽が10cm程度に育つまではたっぷりと与え、その後は控えめに与えます。

花後も球根を育てるために水やりは続けましょう。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

増し土、支柱立て

フリージアは小さな球根のわりに大きな花をつけるので、地際から株がぐらついたり倒れてしまうこともあります。

そこで、新芽が10cmほど伸びたら増し土をして、さらに葉が伸びてきたらマス状に支柱を立てると安心です。

花がら摘み

個々の花がしおれてきたらすぐに摘み取り、先端まですべて咲き終わったら花茎の根元から切りとりましょう。

光合成で球根を充実させるために、葉はそのまま残しておきます。

掘り上げ、分球
適期:6~7月
  1. 葉が黄変したら、葉をつけたまま球根を掘り上げます。
  2. 古土を落として、古い根や茎、古い球根を取り除いて、新しい球根のみ残します。
  3. 新しい球根を日陰で乾燥させて、風通しのよい冷暗所で管理します。

5.フリージアに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

モザイク病(ウイルス病)

▼症状

葉に濃淡のモザイク状(まだら模様)の病斑が現れます。葉や茎が萎縮したり、変形、変色するなど、症状はさまざまです。

ウイルスは主にアブラムシによって運ばれて伝染します。

▼発生時期

3~10月

▼予防と対策

  • 一度感染すると治療できません。
  • 主にアブラムシによって伝染するので、アブラムシ対策を徹底します。
  • 他へ伝染しないように、発病した株は抜いて焼却処分します。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。

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