1.シャクヤクの基本情報
シャクヤクについて見ていきましょう!
■分 類:耐寒~半耐寒性多年草
■原 産:中国、モンゴル、朝鮮半島
■学 名:Paeonia lactiflora
■別 名:エビスグサ、カオヨグサ
■花言葉:はにかみ、恥じらい
■開花期:5~6月
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2.シャクヤクの特徴
茎がスラッと伸びた先に華麗な花を咲かせるシャクヤクは、「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」と言われるほど、美人を称える形容詞としても知られています。
ボタンに似ていますが、ボタンは樹木に、シャクヤクは草に分類されます。冬に地上部が枯れるところがボタンとは違います。
また、シャクヤクは薬用植物で、根は生薬としてさまざまな漢方薬にも使われています。
- 日当たりと風通しがよく、水はけがよい場所を好む。
- 寒さに強い反面、暑さには弱いので、夏は半日陰になる場所で育てる。
- 元肥のほかに、追肥として3月と6月に固形肥料を施す。
- 充実した大きな花を咲かせるために、頂部以外のつぼみは摘み取る。
- 花が咲き終わったら、花首から手で摘み取る。
- 4~5年に1回、植えつけの時期に株分けする。
3.シャクヤクの育て方
用土:腐葉土や堆肥を十分にすきこんだ、水はけと水もちのよい土
元肥:緩効性化成肥料
株間:40~80cm
深さ:3~5cm植えて茎が少し出る程度
- 株を植えつける2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
- 植え穴を掘り、根をよく広げて芽が3~5cm埋まる深さに置き、茎が地上に少し出る程度に土をかけます。
- たっぷりと水を与えます。乾燥しやすい土質ならば、敷きワラなどで覆っておくとよいでしょう。
用土:赤玉土(中)4、鹿沼土4、腐葉土2
元肥:緩効性化成肥料
深さ:2~3cm植えて茎が少し出る程度
- 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
- 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
- 用土を入れて植え穴を掘り、根をよく広げて芽が2~3cm埋まる深さに置き、茎が地上に少し出る程度に土をかけます。
- 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように高さを調整します。
- たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させます。
4.シャクヤクの手入れ
元肥として、緩効性化成肥料を施します。
追肥として、3月と6月に固形肥料を施します。
植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。
ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。
▼水やりのタイミングは?
土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
▼水やりの方法と注意点は?
花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。
▼水を与えすぎると根腐れの原因に
土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。
根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。
充実した大きな花を咲かせるために、頂部以外のつぼみは摘み取りましょう。
1本の茎の側面にいくつもつぼみができるので、小さいうちに摘み取って、頂部のつぼみを育てます。
花が咲き終わったら、花首から手で摘み取りましょう。
しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。
また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。
4~5年に1回、植えつけの時期に行いましょう。
- 株を掘り上げて、根を傷めないように土を落とします。
- 1株に3~4芽をつけて、ナイフなどで切り分けます。
- 植えつけ時に株を殺菌剤で消毒すると安心です。
5.シャクヤクに発生する病気と害虫
主な病気
▼症状
花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。
▼発生時期
真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)
▼予防と対策
- 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
- 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
- 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
- いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
▼症状
葉に濃淡のモザイク状(まだら模様)の病斑が現れます。葉や茎が萎縮したり、変形、変色するなど、症状はさまざまです。
ウイルスは主にアブラムシによって運ばれて伝染します。
▼発生時期
3~10月
▼予防と対策
- 一度感染すると治療できません。
- 主にアブラムシによって伝染するので、アブラムシ対策を徹底します。
- 他へ伝染しないように、発病した株は抜いて焼却処分します。
▼症状
新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。
菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。
▼発生時期
高温多湿の5~7月、9~11月
▼予防と対策
- 普段から通気性をよくしておきましょう。
- チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
- 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。
主な害虫
▼症状
体長1mm以下の微細な線形の回虫で、肉眼では見えないので捕殺することは困難です。
根の組織内に入り込んで養分を吸収されるので、地上部の生育が悪くなり、ひどいと枯死する場合もあります。
▼発生時期
3~10月
▼予防と対策
- 植えつけ前の予防散布が確実です。
- センチュウが発生した株は焼却します。
- 土や鉢などの道具は消毒し、連作を避けます。
- 対抗植物である「マリーゴールド」を混植しておくのも効果的です。
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