ベゴニア・センパフローレンスの育て方

1.ベゴニア・センパフローレンスの基本情報

ベゴニア・センパフローレンスについて見ていきましょう!

ベゴニア・センパフローレンスの基本情報
■科 目:シュウカイドウ科
■分 類:半耐寒性多年草/春まき一年草
■原 産:ブラジル、メキシコ
■学 名:Begonia Semperflorens-cultorum Group
■別 名:四季咲きベゴニア
■花言葉:片思い、親切
■開花期:4~11月

ベゴニア・センパフローレンスの鉢植えや苗が買えるお店

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2.ベゴニア・センパフローレンスの特徴

ベゴニアには様々な種類がありますが、ベゴニア・センパフローレンスは四季咲きで育てやすい品種です。

こんもりと枝が茂り、花は一重咲きと八重咲き、葉は緑葉、銅葉、班入り葉があります。

20℃前後あれば一年を通して花を楽しむことができ、冬も室内で保温すれば咲かせることができます。

育て方のポイント
  • 日当たりのよい場所を好むが、半日陰でも十分育つ。
  • 種から育てるのが難しいので苗を購入した方が簡単。
  • 夏は西日を避けて、風通しのよい半日陰で管理する。
  • 冬は日当たりのよい室内の窓辺で管理する。
  • 開花期が長いので肥料切れに注意。
  • 花後に切り戻すと、新芽が伸びてきて再び花を咲かせる。
  • 挿し芽で増やすことができる。

3.ベゴニア・センパフローレンスの育て方

育て方

種から苗を育てる

種まき
適  期:4~5月
発芽適温:20℃
(1) 平鉢や育苗箱に種をまく
  1. 種まき用土を、容器の縁から2cmほどの深さまで入れます。
  2. 微細な種子なので、砂を加えて増量させて、二つ折りにした封筒の上にのせてからまくと均一になります。
  3. 好光性種子なので覆土はしないで、指で上から軽く押さえて種と土を密着させます。
(2) まき床を管理する

タネをまいた容器(まき床)は雨の当たらない、風通しのよい明るい日陰で管理します。発芽までは土を乾かさないようにします。

  • 透明なビニールなどをかぶせて湿気を保つようにします。
  • トレーや受け皿に水をため、鉢底穴から底面給水させます。
  • 上から霧吹きでたっぷりと水をやります。
(3) 発芽

発芽したら、すぐに覆いを外して徐々に日当たりのよい場所に移します。土の表面が乾いたら静かに水を与えます。

(4) 間引き

子葉が開いたら、密になっている部分の苗を引き抜いて、株間をあけるようにします。

一度だけで終わりではなく、隣の葉同士が触れ合ってきたら間引くようにして、最終的に必要な数だけの苗を残しましょう。

(5) 移植
  1. 本葉が4~5枚になったら、苗を丁寧に掘り上げ、培養土の入った3号ポットに移します。
  2. 水やりは、鉢底から水がしみ出すまで与えます。
  3. 2~3日は直射日光や風の当たらない半日陰で、乾燥に注意しながら管理します。
  4. ポットの底穴から根が見えるようになったら、定植したい場所に植えつけます。

苗からの育て方

苗の選び方

種から育てるのは難しいので、苗を購入した方が簡単です。

■良い苗
・節間が詰まっていて、こんもりと全体に茂ったもの。
・葉色がよく、ツヤがあるもの。

■悪い苗
・茎が弱々しく伸びて全体的にバランスが悪いもの。
・葉が枯れていたり、変色しているもの。

苗の植えつけ
4~6月が適期ですが、真冬を除けばいつでも可能です。
鉢植えの場合
 鉢:5号に1株を目安
用土:赤玉土(小)5、腐葉土3、バーミキュライト2
元肥:緩効性化成肥料
  1. 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  3. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  5. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  6. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所:日当たりと水はけがよく、夏は西日の当たらない半日陰になる場所
株間:15~20cm
元肥:緩効性化成肥料
  1. 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 花壇の土の表面よりも「高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.ベゴニア・センパフローレンスの手入れ

水やり
鉢植えの栽培場所
  夏:西日を避けて、風通しのよい半日陰
  秋:日当たりのよい戸外
冬~春:日当たりのよい室内の窓辺
地植えの冬越し

霜が降りる前に、鉢に植えかえて室内に取り込みましょう。

そのとき、株を1/3程度まで切り戻します。

日当たりのよい室内でうまく管理すると冬期でも開花します。

肥料

元肥として、緩効性化成肥料を施します。

追肥として、開花中は月2~3回薄い液肥を施します。開花期が長いので肥料切れに注意しましょう。

水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

土の表面が乾いたらたっぷりと与えますが、真夏と冬は過湿にならないよう注意します。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

摘心

新芽が10cm伸びたら摘心して、こんもりした形に整えるとよいでしょう。

花がら摘み

種を採種しない場合は、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。

切り戻し

花後に3~4節を残して半分ほどに切り戻すと、新芽が伸びてきて再び花を咲かせます。

挿し芽
適期:4~5月、9~10月
  1. 若い芽の先端を7~10cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取り、上半分にある葉で大きいものは半分に切ります。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に30分ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせたバーミキュライトなどの挿し芽用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、2~3週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
  10. 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。

5.ベゴニア・センパフローレンスに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

うどんこ病

▼症状

新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。

菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。

▼発生時期

高温多湿の5~7月、9~11月

▼予防と対策

  • 普段から通気性をよくしておきましょう。
  • チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
  • 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。
苗立枯病

▼症状

茎の地際部がくびれたようになり、倒れて枯死します。発芽直後、または幼苗の時期に発生しやすいです。

▼発生時期

4~10月

▼予防と対策

  • 土壌伝染性の病気なので、新しい土か、消毒した清潔な土を使うようにしましょう。
  • 侵された株は根から引き抜き、土を消毒します。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
ハダニ

▼症状

肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉裏に寄生して汁液を吸います。初期段階では白い斑点が残り、やがて白っぽいカスリ状が広がります。食害が進むと、花や葉の色があせて生育を阻害します。

▼発生時期

3~10月(夏の高温乾燥時に多発)

▼予防と対策

  • 早期発見、早期防除が大切です。
  • 水を嫌うので、潜んでいる葉裏から水を吹きかけて繁殖を抑えます。
  • 高温乾燥を好むので、風通しをよくします。
  • 専用の殺ダニ剤で対処します。

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