サポナリア(ソープワート)の育て方

1.サポナリアの基本情報

サポナリアについて見ていきましょう!

サポナリアの基本情報
■科 目:ナデシコ科
■分 類:耐寒性多年草
■原 産:ヨーロッパ、西アジア
■学 名:Saponaria officinalis
■別 名:ソープワート、シャボンソウ
■花言葉:友の思い出、清らかな二人
■開花期:6~8月

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2.サポナリアの特徴

サポナリアは、ヨーロッパや西アジアに分布するナデシコ科シャボンソウ属の多年草です。

サポナリアという名前は、ラテン語のサポ(sapo:石けん)に由来します。全草にサポニンという成分を含み、葉を水に浸して手で揉むと泡立ちます。そこから、「ソープワート」や「シャボンソウ」という別名でも呼ばれます

開花期は6~8月で、茎の頂部から花序を出して、径2~3㎝の花をまとめて咲かせます。性質が強く、地下茎を伸ばして広がっていきます。

冬は地上部が枯れて根だけの状態で過ごし、マイナス15℃くらいまで耐えられます。

育て方のポイント
  • 日当たりがよく水はけのよい場所で、乾燥した気候を好む。
  • 耐暑性、耐寒性ともに優れているので、とくに対策しなくてもそのまま育てられる。
  • 土壌が酸性の場合は、あらかじめ苦土石灰をまいて中和しておくとよい。
  • サポニンには魚毒性があるので、魚を飼育している池のそばには植えない方がよい。

3.サポナリアの育て方

育て方

苗からの育て方

苗の植えつけ
適期:3月、10~11月
鉢植えの場合
場所 日当たりがよい場所
用土 水はけのよいもの。
一般の草花用培養土に鹿沼土や軽石などを2割くらい混ぜたものや、
赤玉土6:腐葉土4の配合土など。
  1. 鉢底ネットを鉢穴の上に置き、鉢底石を薄く敷き詰めます。
  2. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  3. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  4. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所 日当たりがよい場所
土壌 水はけのよい土
  1. 苗を植える2週間くらい前に、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。堆肥や腐葉土を混ぜ、緩効性化成肥料を加えます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 深植えしないように注意して、軽く押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.サポナリアの手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。冬は水やりの回数を控えめにします。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

肥料

やせ地でも育つ丈夫な植物なので、さほど肥料を必要としません。逆に肥料をやりすぎると、草丈が高くなって倒れやすくなります。

鉢植えなら、3月と9月に緩効性化成肥料を施してもよいでしょう。

地植えなら、生育に問題がなければとくに必要ありません。

支柱立て

大型のものだと草丈1m近くにもなるので、支柱を立てて倒れるのを防ぎます。

切り戻し

花が終わったら、側枝の上で切り戻すと、わき芽が伸びて再び花を咲かせます。

植え替え
適期:3月、10~11月

鉢植えなら、混み合って生育が衰えてきたら、ひと回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

庭植えなら、数年間は植えっぱなしでも構いません。ただし、地下茎が周囲に広がりすぎていたら、不要な部分は抜き取ります。地中に囲いなどを設けて広がらないようにしておくと管理が楽になります。

株分け
適期:3月、10~11月

植え替えの際に、大株に育っていたら株分けを行います。株を掘り上げたら、傷んだ根は取り除き、あまり小さくならないように数株に切り分けて、新しい用土で植えつけます。

挿し芽
適期:6月
  1. 若くて元気な茎の先端を7~10cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に30分~1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた挿し芽用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して育てます。

5.サポナリアに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

白絹病・菌核病

▼症状

茎の途中に白い網状のかびが広がって、茎が褐色~黒色に変色して枯死します。

▼発生時期

6~8月

▼予防と対策

菌核は次の植物に伝染していくので、被害にあったすべての株を抜き取り、焼却処分します。また、菌核は土の中で生き続けているので、株の処分後ただちに土壌殺菌剤を散布します。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。

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