アイビー(ヘデラ)の育て方

1.アイビーの基本情報

アイビーについて見ていきましょう!

アイビーの基本情報
■科 目:ウコギ科
■分 類:耐寒性常緑つる性木本
■原 産:北アフリカ、ヨーロッパ、アジア
■学 名:Hedera
■別 名:ヘデラ、セイヨウキズタ
■花言葉:永遠の愛、友情、信頼

アイビーの鉢植えや苗が買えるお店

アイビーを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
花屋やネットで購入できます。

2.アイビーの特徴

アイビーは、北アフリカ、ヨーロッパ、アジアに広く分布し、園芸品種が数百にも及ぶ、常緑つる性植物です。日本にもキヅタ、フユヅタなどが自生しています。

たいへん丈夫な性質をもっており、寒さや暑さにも耐え、日陰でも育ちます。ハンギングにして下垂させたり、フェンスに絡ませたり、グランドカバーにするなど、幅広く活躍してくれます。

育て方のポイント
  • 風通しのよい明るい半日陰で育てる。
  • 真夏の直射日光に当てると葉焼けを起こすので注意する。
  • 室内で育てる場合は、日当たりのよい窓辺に置く。
  • 最低温度0℃なので、寒冷地以外では戸外で越冬できる。

3.アイビーの育て方

育て方

苗からの育て方

苗を購入する

園芸店やホームセンターなどで苗を購入して育てます。

▼良いもの
・葉にツヤがあり、適度な厚みがあるもの
・葉数が多く、下葉が枯れていないもの
・茎が間延びしていないもの

苗の植えつけ
適期:寒い時期を除けばいつでも可能
鉢植えの場合
用土 赤玉土(小)6:腐葉土3:川砂1の配合土など
元肥 緩効性化成肥料
  1. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  2. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  3. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  4. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  5. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所 風通しがよい明るい半日陰
土壌 水はけと通気性に富み、適度な保水性のある土
  1. 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 深植えしないように注意して、軽く押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.アイビーの手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。乾燥には強いほうですが、加湿には弱いため、水の与えすぎには注意します。冬は水やりの回数を控えめにして、乾燥気味に管理します。

▼水やりの方法と注意点は?

鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。

追肥

アイビーは生育旺盛なので、それほど肥料は必要ありません。春~秋の生長に合わせて、2ヶ月に1回ほど固形の緩効性肥料を少量施すか、液肥をときどき施す程度にします。

切り戻し

伸びすぎた部分はその都度切って、草姿を整えて風通しをよくしておきます。

植え替え
適期:4~6月、9~10月(1~2年に1回が目安)
  1. 植え替えの1週間くらい前から、水やりを控えて土を乾かしておきます。
  2. 鉢から株を抜いて、古い土を1/3ほど落とし、黒ずんで傷んでいる根は取り除きます。
  3. 新しい用土で、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
  4. 1週間くらいは半日陰に置いて管理します。
挿し木
適期:9月
  1. 茎の先端を10cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。上半分にある葉で大きいものは、半分に切り詰めます。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に30分~1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた挿し木用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、2~3週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
  10. 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して育てます。

5.アイビーに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

炭そ病

▼症状

糸状菌(カビ)による病気で、主に葉に発生し、灰褐色から黒褐色で円形の小病斑を生じます。発病した部分は、穴が空いたり枯れたりして生育不良を起こします。

▼発生時期

春から秋の高温多湿期

▼予防と対策

  • 予防するには、株間を広くとったり剪定をして風通しをよくしておきます。
  • 菌は患部や土壌中に生き残るので、侵された部分はすぐに取り除いてゴミに出すか焼却処分します。
  • 発病初期の薬剤散布で発生を防除します。
灰色かび病(ボトリチス病)

▼症状

花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。

▼発生時期

真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)

▼予防と対策

  • 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
  • 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
  • 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
  • いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。
カイガラムシ

▼症状

貝殻に似た厚い殻をかぶった黒い虫が、葉茎に寄生して栄養を吸い取ります。

植物の生育が妨げられ、ひどいと枯死します。また、すす病を誘発します。

▼発生時期

一年中

▼予防と対策

  • 常に風通しをよくしておきます。
  • 成虫は厚い殻をかぶっており抵抗力が強いので、前もって薬剤で予防しておきます。
  • 幼虫の段階で見つけたら薬剤を散布します。
  • 成虫を見つけたらブラシなどで落として捕殺します。
Photo by bengt-re on Foter.com / CC BY

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