カランコエの育て方

1.カランコエの基本情報

カランコエについて見ていきましょう!

カランコエの基本情報
■科 目:ベンケイソウ科
■分 類:非耐寒性多肉植物
■原 産:マダガスカル
■学 名:Kalanchoe
■別 名:ベニベンケイ
■花言葉:たくさんの小さな思い出、おおらかな心、幸福を告げる
■開花期:10~5月

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2.カランコエの特徴

マダガスカル原産のカランコエは多肉植物で、肉厚な葉の間から花茎を伸ばして、鮮やかな小さな花をいくつも咲かせます。

本来は初夏の花ですが、短日処理をして開花を促進した開花株は、真夏を除いてほぼ一年中出回っています。

ただし、寒さには弱いので鉢花として楽しむのが一般的です。

育て方のポイント
  • 水切れには強いが、寒さには弱いので冬は室内で育てる。
  • 短日植物で、日照時間が短くなると花芽をつける性質を持つ。
  • 多肉植物なので乾燥気味に管理する。
  • もともと丈夫な植物なので、肥料は少なめで管理する。
  • 鉢が根詰まりしないうちに、毎年新しい土で植えかえる。
  • 挿し芽や葉挿しで増やすことができる。

3.カランコエの育て方

育て方
鉢苗の選び方

苗は一年を通して出回っていますが、秋~冬が花色がよいものが多いです。
開花鉢はそのまま楽しんで、花後の5~6月に植えかえるとよいでしょう。

■良いもの
・株が安定してグラつかず、締まっているもの。
・葉が肉厚で色が濃く、枝分かれや花つきが多いもの。

育てる場所
 冬 :日当たりのよい窓辺
春~秋:日当たりのよい戸外
 夏 :半日陰の戸外
鉢植え
 鉢:5号鉢に1株を目安
用土:赤玉土(小)2、ピートモス5、川砂3、または多肉植物専用土
元肥:緩効性化成肥料
  1. 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  3. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、苗を鉢の中心に置いてみます。
  5. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  6. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。

4.カランコエの手入れ

水やり
短日処理

カランコエは短日植物で、日照時間が短くなると花芽をつける性質を持ちます。

そのため、開花させたい時期の3ヶ月前から日照時間を調整してやる必要があります。

夕方17時~翌朝8時ごろまで鉢にダンボールなどをかぶせて光を遮り、花芽ができるまで1ヶ月間毎日続けるようにします。

夜間に照明が当たる場所に置くと、花芽ができなくなるので注意しましょう。

肥料

もともと丈夫な植物なので、肥料は少なめで管理します。

元肥として、緩効性化成肥料を施します。

追肥として、5~6月・9~10月に、液肥を月1~2回施します。

水やり

▼水やりのタイミングは?

多肉植物なので乾燥気味に管理し、土が乾いてから1~2日後にたっぷりと与えます。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

花がら摘み

開花期間中に、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。

切り戻し~植えかえ
毎年5~6月頃、春の花後に切り戻して植えかえてあげましょう。
  1. 花茎を根元から切り取り、他の茎も全体の1/3に短く刈り込んで草姿を整えます。
  2. 古い下葉も取り除いて、風通しをよくします。
  3. 根鉢を丁寧に引き抜いて、古土を半分落とします。
  4. 大株になっていた場合は、3~4つに株分けします。
  5. 新しい土で、ひと回り大きい鉢に植えかえて、水をたっぷり与えます。
  6. 2週間ほどは明るい日陰に置いて、水やりは控えめに管理します。
挿し芽
適期:5~6月、9~10月
  1. 先端の茎を5~7cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた川砂かバーミキュライトに1~2cm挿します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。土が乾いたら水をやりますが、乾かしぎみに管理します。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、3~4週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
  10. 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつ3号ポットに鉢上げして日当たりのよい場所で育てます。

5.カランコエに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

灰色かび病(ボトリチス病)

▼症状

花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。

▼発生時期

真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)

▼予防と対策

  • 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
  • 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
  • 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
  • いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。

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