ブラキカムの育て方

1.ブラキカムの基本情報

ブラキカムについて見ていきましょう!

ブラキカムの基本情報
■科 目:キク科
■分 類:春・秋まき一年草/半耐寒性多年草
■原 産:オーストラリア、ニュージーランド
■学 名:Brachyscome
■別 名:ヒメコスモス、ブラキスコメ、スワンリバーデージー
■花言葉:優美
■開花期:4~11月

ブラキカムの鉢植えや苗が買えるお店

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2.ブラキカムの特徴

ブラキカムは別名を「ヒメコスモス」といい、コスモスの花を小さくしたような可愛らしい花姿をしています。よく分枝してこんもりと茂るので、花壇の縁取りやハンギングでのアレンジも自在です。

大きく分けて一年草タイプと宿根草タイプがあります。宿根草タイプは、比較的丈夫で寒さにも強く開花期も長いので人気があります。

育て方のポイント
  • 日当たりと風通しがよく、水はけがよい場所で育てる。
  • 秋に種をまいたら、冬は凍らせないように管理して、春になったら植えつける。
  • 植えつけのとき、摘芯して側枝を多く出させるようにすると、花つきがよくなる。
  • 夏の高温多湿に弱いので、株を切り戻して、西日を避けて半日陰で管理する。

3.ブラキカムの育て方

育て方

種からの育て方

種まき概要
適  期:9~10月(寒冷地は3~4月)
発芽温度:15~20℃
発芽日数:10~18日

種から育てた苗は、冬は凍らせないようにフレームなどで管理し、春になったら植えつけるようにします。

育苗箱に種をまく場合
(1) 育苗箱に種をまく
  1. 種まき用土を、容器の縁から2cmほどの深さまで入れます。
  2. 種をまきます。2mmほど覆土して、指で上から軽く押さえて種と土を密着させます。
(2) まき床を管理する

タネをまいた容器(まき床)は雨の当たらない、風通しのよい明るい日陰で管理します。発芽までは土を乾かさないようにします。

  • 透明なビニールなどをかぶせて湿気を保つようにします。
  • トレーや受け皿に水をため、鉢底穴から底面給水させます。
  • 上から霧吹きでたっぷりと水をやります。
(3) 発芽

発芽したら、すぐに覆いを外して徐々に日当たりのよい場所に移します。土の表面が乾いたら静かに水を与えます。

(4) 間引き

子葉が開いたら、密になっている部分の苗を引き抜いて、株間をあけるようにします。

一度だけで終わりではなく、隣の葉同士が触れ合ってきたら間引くようにして、最終的に必要な数だけの苗を残しましょう。

(5) 移植
  1. 本葉が3~4枚になったら、苗を丁寧に掘り上げ、培養土の入った3号ポットに移します。
  2. 水やりは、鉢底から水がしみ出すまで与えます。
  3. 2~3日は直射日光や風の当たらない半日陰で、乾燥に注意しながら管理します。
  4. ポットの底穴から根が見えるようになったら、定植したい場所に植えつけます。
ポットに種をまく場合
  1. 育苗用土を3号ポットに入れます。ポットの縁より0.5~1cmほど低くなるように、土の高さを調整します。
  2. 水を与えて、用土を湿らせます。
  3. 用土に種を点まきして、薄く覆土します。
  4. そっと水を与えます。ポリポットの底から水が出るくらいが目安です。
  5. 発芽適温が保てる雨の当たらない場所に移動して、土の表面が乾かないように管理します。
  6. 数回に分けて間引いていき、最終的には1つのポリポットで1株を育てるようにします。
  7. 本葉が4~5枚になったら、定植したい場所へ植え付けます。

苗からの育て方

苗を購入する

▼良いもの
・株に張りがあり、ぐらつかないもの。
・葉数が多く、つぼみがたくさん付いているもの。

▼悪いもの
・徒長していて、全体的にバランスが悪いもの。
・葉が黄色く枯れているもの。

苗の植えつけ
適期:4~5月

植えつけのとき、摘芯して側枝を多く出させるようにすると、花つきがよくなります。

鉢植えの場合
 鉢:5号鉢に1株を目安
用土:赤玉土7、腐葉土3などの配合土
元肥:緩効性化成肥料
  1. 鉢の大きさは、いまの苗が入っているものよりも、ひと回り大きなものを選びます。
  2. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  3. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  4. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢をくずさないように苗を置きます。
  5. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  6. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所:日当たりと風通しがよく、水はけがよい場所(夏の西日は避ける)
株間:15~20㎝
元肥:緩効性化成肥料
  1. 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
  2. 植え穴をあけて根鉢をくずさないように置きます。
  3. 花壇の土の表面よりも「同程度~やや高く」なるように土で覆って、軽く根元を押さえて安定させます。
  4. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.ブラキカムの手入れ

水やり
鉢植えの管理場所
11月中旬~3月末 室内の日当たりのよい窓辺
7月中旬~9月中旬 戸外の涼しい半日陰
上記以外の春と秋 戸外の日当たりのよいところ
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

「土の表面が乾いたら、たっぷりと」を目安にします。
夏の水切れには注意しましょう。

▼水やりの方法と注意点は?

花・葉・茎に水が直接かからないように、鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。花・葉・茎に水が直接かからないように、静かに与えましょう。

肥料

元肥として、緩効性化成肥料を施します。

追肥として、4~11月の生育期に、月に2~3回くらい液肥を与えます。

花がら摘み

種を採種しない場合は、咲き終わった花はひとつずつ丁寧に摘んでいきましょう。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分が種を作るために使われるので、開花期が短くなってしまいます。

また、しおれた花は病害虫の原因になるので、落ちた花びらなどもこまめに拾って清潔に保つようにしましょう。

剪定、切り戻し

伸びすぎた茎葉は、日頃から少しずつ剪定して草姿を整えるとよいでしょう。

また、ブラキカムは高温多湿が苦手なので、梅雨に入る前に、全体の半分までバッサリと切り戻して、蒸れを予防します。

植えかえ、株分け
適期:3月

鉢植えなら毎年、ひと回り大きな鉢に植えかえましょう。
子株が増えていたら、手でほぐして株分けします。

挿し芽(挿し木)
適期:3月
  1. 若い茎の先端を7~8cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に30分ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた赤玉土などの挿し芽用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、2~3週間したら、手で軽く引っ張ってみます。抜けずに手応えがあれば発根しています。
  10. 発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して日当たりのよい場所で育てます。

5.ブラキカムに発生する病気と害虫

病気と害虫

主な病気

灰色かび病(ボトリチス病)

▼症状

花、つぼみ、葉、茎などが、水に染みたように柔らかくなって褐色します。症状が進むと、灰色のかびが全体に広がって腐ります。かびの胞子は空中に飛び散り、さまざまな植物に伝染します。

▼発生時期

真夏を除いて、早春~晩秋(3~8月、9~11月)

▼予防と対策

  • 普段から、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
  • 水やりは、葉や花に水がかからないように株元にやるようにしましょう。
  • 密植はしないで、風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
  • いったん病気に侵された株はもとには戻らないので、侵された部分を見つけたらすぐに取り除きましょう。
うどんこ病

▼症状

新芽や若葉、茎、花茎に、うどんの粉のような白いかびが発生します。やがて全面に広がり、侵された部分が縮れたり枯れたりします。

菌はその植物特有の病原菌で、ほかの植物にはつきません。

▼発生時期

高温多湿の5~7月、9~11月

▼予防と対策

  • 普段から通気性をよくしておきましょう。
  • チッソ肥料の与えすぎに注意して、カリ肥料を多めに与えます。
  • 発生初期なら比較的簡単に治せる病気なので、薬剤で対処します。

主な害虫

アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。

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