カルーナの育て方

1.カルーナの基本情報

カルーナについて見ていきましょう!

カルーナの基本情報
■科 目:ツツジ科
■分 類:耐寒性常緑低木
■原 産:モロッコ、ヨーロッパ北西部、シベリア
■学 名:Calluna vulgaris
■別 名:ヘザー、ナツザキエリカ、ギョリュウモドキ
■花言葉:自立、誠実、旅立ち、連理の枝
■開花期:8~10月(紅葉期:11~3月)

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2.カルーナの特徴

カルーナは、モロッコ、ヨーロッパ北西部、シベリアなどに分布する常緑性の低木です。冷涼な気候を好み、ヒースランドとも呼ばれる荒れ地や、やせた酸性土でも育ちます。

主に夏咲き種ですが、冬咲き種もあります。冬になると葉が紅葉するので、一年を通して葉や花を楽しむことができます。

ツツジ科カルーナ属は、カルーナ・ブルガリス種(Calluna vulgaris)一種のみですが、非常に変異が多く、1000以上の園芸品種があるといわれます。

育て方のポイント
  • 日当たりと風通しがよく、水はけのよい場所で育てる。
  • 高温多湿に弱いので、夏は雨を避けて涼しい半日陰で管理する。
  • 寒さには強いので、とくに防寒する必要はない。
  • 酸性土壌を好むので、庭植えならピートモス(酸度未調整)を混ぜ込んでおくとよい。
  • もともと荒れ地のような場所に生えており、やせた土地でも育つので多肥は避ける。

3.カルーナの育て方

育て方

苗からの育て方

苗の植えつけ
適期:3~4月、9~10月
鉢植えの場合
用土 酸性土壌を好むので、
鹿沼土7:ピートモス(または腐葉土)3の配合土など
  1. 鉢穴より少し大きめの鉢底ネットを、鉢穴の上に置きます。
  2. 鉢底石を、鉢の底が隠れる程度まで入れます。
  3. 鉢の深さの「3分の1」くらいまで土を入れて、根鉢の底部をほぐして苗を置きます。
  4. 土の表面が鉢縁より1~2cmほど低くなるように、残りの土を入れて高さを調整します。
  5. たっぷりと水を与え、2~3日は半日陰に置いて苗を安定させた後、日当たりと風通しの良い場所に移動させます。
地植えの場合
場所 日当たりと風通しのよい場所(夏の西日は避ける)
土壌 水はけがよい酸性土壌を好む
株間 50~60cm
  1. 苗を植える2週間くらい前から、土に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。
  2. 酸性土壌を好むので、ピートモス(酸度未調整)を混ぜ込んでおくとよいでしょう。
  3. 水はけの悪い場所では、土を山高に盛ったり、緩い傾斜をつくって植えつけます。
  4. 植え穴をあけて、根鉢の底部をほぐして苗を置きます。
  5. 深植えしないように注意して、軽く押さえて安定させます。
  6. 株元にたっぷりと水を与えます。

4.カルーナの手入れ

水やり
水やり
鉢植えの場合

▼水やりのタイミングは?

鉢土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。過湿にすると根腐れしますが、乾燥させすぎても枯れてしまいます。

▼水やりの方法と注意点は?

鉢土に静かに注ぐようにします。鉢底から余分な水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。そうすることで、土中に溜まった老廃物や古い空気が押し出され、新しい空気が流れ込んで根の呼吸を促します。また、鉢皿の水は溜めずにこまめに捨てましょう。

▼水を与えすぎると根腐れの原因に

土がまだ湿っている状態で、やみくもに水を与え続けると、根が窒息を起こして枯れてしまいます。そこに腐敗菌がとりつくことで、ますます根の状態が悪化します。これが「根腐れ」です。

根腐れの状態では水を吸い上げることができないので、葉がしおれてきます。これを見て、まだ水が不足していると勘違いして水を与え続けると、回復不能になってしまいます。

地植えの場合

植え付けのときにたっぷりと水を与えておけば、基本的に水やりの心配はありません。花壇に植えた植物は地中に広く根を張り、水分吸収効率がよくなっているので、自然に雨が降れば十分です。

ただし、土が白っぽくなって完全に乾いているときや、雨だけでは補えないときなどは水やりが必要です。

追肥

もともと荒れ地のような場所に生えており、やせた土地でも育つので多肥は避けます。

生育促進のために、4~6月に、月に1回ほど薄い液肥を与えてもよいでしょう。

剪定

枝葉が込み合うと、株が蒸れて下葉が枯れ上がることがあります。花後の秋頃になったら、全体の半分くらいの高さまで刈り込みます。葉を楽しむのが目的なら、とくに時期を選ばずに剪定できます。

植え替え
適期:3~4月、9~10月

鉢植えなら、毎年1回は植え替えたほうがよいでしょう。根鉢を軽く崩して、傷んだ根があれば取り除き、ひと回り大きな鉢に新しい用土で植え替えます。

庭植えなら、とくに植え替えの必要はありません。

挿し木
適期:4~5月、10月
  1. 元気のよい若い枝の先端を7~8cmくらい切り取ります。この切り取った部分を「挿し穂」といいます。
  2. 挿し穂の下半分にある葉を摘み取ります。
  3. 土に挿す部分をカッターで「斜め」に切って、吸収効率を上げます。
  4. 切り口を、水の入った容器に30分~1時間ほど浸けておきます。葉は水に浸けないようにします。
  5. 発根剤を切り口につけます。なければそのまま挿しても大丈夫です。
  6. 湿らせた用土に植えます。棒で土に穴をあけて、挿し穂をさして土で固定します。
  7. 静かにたっぷり水を与えます。
  8. 直射日光を避け、半日陰で管理します。用土の表面が乾いたら水をやります。
  9. 少しずつ日に当てる時間を増やし、発根したら丁寧に掘り出し、1株ずつポットや鉢に移植して育てます。

5.カルーナに発生する病気と害虫

病気と害虫
アブラムシ

▼症状

緑色や黒色をした小さな虫が群がって大量に発生します。植物に寄生して汁液を吸うため、生育がそこなわれます。甘い分泌液を出し、これにアリが集まるためアリマキとも呼ばれます。また、ウイルスを媒介して多くの病気を誘発します。

▼発生時期

4~6月、9~10月がピーク

▼予防と対策

  • 日当たりと風通しをよくし、発見したらすぐにピンセットや割り箸などでつまんで捕殺します。
  • 反射光を嫌うので、アルミホイルを敷いておくと寄り付きにくくなります。
  • アブラムシに牛乳を直接吹きかけると窒息死します。
  • 殺虫剤には比較的弱いので、市販の薬剤で簡単に退治できます。

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